東洋大学 海野ゼミ・サンプル図書リスト

情報学、メディアコミュニケーション学、社会学

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● What’s New ●
2015/9/12音楽、アニメ関係の図書を追加。
2015/8/24「2015年夏のお薦め」ほか追加。
2015/7/21,22,27ほぼ2年ぶりに2015年夏版として追加・入替。
2013/10/16『ウェブ社会のゆくえ』ほか追加。
2013/9/20小説など8点を追加。
2013/8/18, 27「2013年夏のお薦め」ほか追加。
2013/7/162013年夏版として追加・入替。
2012/7/14-172012年夏版として追加・入替。
2011/7/19-262011年夏版として大幅追加・入替。
2001/7/22新規に公開しました。
目 次
夏季課題と提出期限
サンプル図書リスト
読む本に迷ったときのお薦め
本の選び方・探し方

夏季課題と提出期限

◆例年、海野2年・3年ゼミの夏季休暇課題は「千頁読破」(せんぺえじどくは)です。提出期限は秋学期第1回の授業時です。

◆なぜ本(図書、書籍)を読むかと言うと、初学者がまとまりのある知(体系的な知識)を獲得するには本が一番だから(本しかないから)です。ネット、新聞・雑誌、音声・映像では、まとまりのある知の習得は困難です。

◆{情報学、メディアコミュニケーション学、社会学}に関連するなるべく専門的な図書を、新たに合計1000ポイント以上読み、その(1)目次、(2)要約または紹介、(3)感想・意見・コメントを所定の形式でレポートに作成して提出して下さい。(レポートの詳しい内容、形式は、授業時の配付プリントをよく読んで下さい。)

◆【ページ/ポイントの換算】原則として1ページ=1ポイントです。ただし、1ページあたりのポイントを、専門的な学術書は2倍、洋書は10倍に増やし、小説・エッセイは1/2に減らします(小数点以下は切り上げ)。以下の表を参照して下さい。1000ページは、単行書ならばおよそ3冊、新書判ならばおよそ4〜5冊です。

図書のタイプ1ページあたり
一般的な教養書1 ポイント
ビジネス書1 ポイント
ドキュメンタリー・ノンフィクション1 ポイント
入門的な学術書1 ポイント
専門的な学術書2 ポイント
洋書(原書)10 ポイント
小説・エッセイ0.5 ポイント

◆どのような図書がそれぞれのタイプに該当するかは、下記の「サンプル図書リスト」を参考にして下さい。(およそ内容の難易度に応じて、岩波新書、講談社現代新書、NHKブックスのようなシリーズのレベルを「入門的な学術書」=1ページ1ポイントとしています。)

◆書誌事項(書誌データ)の書き方は 『海野ゼミ書誌事項の記載規則』を参照すること。

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サンプル図書リスト

◆以下は{情報学、メディアコミュニケーション学、社会学}をテーマとする本を、あくまで例示的に(サンプルとして)並べたリストです。 必ずしもここにあげた本から選んで読んでほしいというわけではありません。 分野ごとに紹介点数に偏りがあったり、特定の著者の本が偏って多くあげられていたりします。 これら以外に、内容に優れた本、読む値打ちのある本はいくらでもあります。 (このリストをじっくり眺めて、海野が皆さんにどんな本を読んでほしいと思っているかを推測してください。)
 したがって、これが必ずしも推薦図書リストではないこと、網羅性のないサンプルであることに注意して、リストを参考にして、読みたい本を自分で探してください。

◆気が向いたときに、海野が推薦する本に マークをつけます。その場合、推薦マークは半年ぐらいごとにつけかえる予定です。

◆刊行年が比較的新しい(2014年以降の)本に マークをつけました。

◆このリストはかなりおおざっぱで、ゆるく作っています。配列順は「何となく思いついた順」であり、刊行年順にも著者名順にもなっていません。価格は原則として税抜きですが、税込みが混ざっていて不統一です。書誌データも十分チェックしていないので、たまに誤りがあります。あらかじめご了承下さい。m(_ _)m

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サンプル図書リストの目次

  1. ネットワーク社会・情報化社会を全体的に考えるための本
  2. ネットワーク社会・情報化社会をさまざまな視点から考えるための本
  3. アート/エンターテインメント系メディアを考えるための本
  4. 社会学/情報学/メディア論を学ぶための入門書・専門書
  5. ネットワーク社会・情報化社会を考えるための小説
  6. 読む本に迷ったときのお薦め

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凡 例

●著編者名(訳者名)『書名:副書名』
  出版社, 出版年.月. 総頁数p. ¥価格(シリーズ名
海野の一言コメント。
目次の抜粋や、宣伝文の引用の場合もあり。 引用部分は「 」で括った。

*総ページ数が は1ページあたりのポイントが2倍のもの、 1/2のものです。
*価格は、記載時の税抜き価格。
シリーズ名とは、多数の図書が連続して出版される場合、そのグループ全体に共通する名前のこと。
例:「岩波新書」「講談社文庫」「NHKブックス」「岩波講座 インターネット」

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★参考 : 新書マップ

「新書マップ」は、 新書判のシリーズを探すときに便利な検索サイトです。キーワード検索ができます。 また、「書棚で見るテーマ一覧」は 32のテーマに分かれていますので、興味のあるテーマを選んでブラウジングしてみましょう。 例えば、以下のようなテーマがあります。


1. ネットワーク社会・情報化社会を全体的に考えるための本

*著者の専門分野により、1.1社会学者、1.2情報学者・哲学者、1.3その他に分けてみましたが、あくまで便宜的な分類です。

1.1 社会学者が書いたもの

★濱野智史 『アーキテクチャの生態系:情報環境はいかに設計されてきた』
  筑摩書房,2015.7. 382p. ¥820(ちくま文庫)
「ミクシィ、2ちゃんねる、ニコニコ動画、ケータイ小説、初音ミク……。日本のウェブサービスは固有の形に進化している。他の国にはない不思議なサービスの数々は、なぜ日本独自の進化を遂げたのか。」(宣伝文より)初出はNTT出版、2008年10月。
★木村忠正『デジタルネイティブの時代:なぜメールをせずに「つぶやく」のか』
 平凡社,2012.11. 255p. ¥800+税 (平凡社新書)
文化人類学の研究手法を用いて日本人の情報行動を丁寧に分析している。後半は、日本社会の特長について、空気を読む圧力が強い、ネットへの信頼感が低い、テンションの共有のみを志向する傾向があるなどと論じていて興味深い。前半は、学術的な知識の少ない学生には読みづらいかもしれない。
★公文俊平 『情報社会のいま:あたらしい智民たちへ』
  NTT出版, 2011.5. 216p. ¥2400
目次:序章 情報社会とはなにか/第一章 社会をみるためのモデル/第二章 近代社会の大きな流れ/第三章 ソーシャル化の現在/第四章 智民たちの現在/終章 日本の情報化の現在
★橋元良明・電通総研 『ネオ・デジタルネイティブの誕生:日本独自の進化を遂げるネット世代』
  ダイヤモンド社, 2010.3. 189p. ¥1500
社会調査の結果にもとづいて、世代ごとにメディアに対する意識と行動がどのように異なっているのかを分析している。1976年ごろに生まれた世代を「PCデジタルネイティブ」、1996年ごろに生まれた世代を「ケータイネイティブ」、1996年ごろに生まれた世代を「ネオ・デジタルネイティブ」と名付けている。とても読みやすい。
●土橋臣吾・南田勝也・辻泉編著 『デジタルメディアの社会学:問題を発見し、可能性を探る』
  北樹出版, 2011.10. 223p. ¥2100
(目次より)ウェブは本当に情報の大海か、ネットは自由な空間か管理された箱庭か、ケータイは友人関係を広げたか、 ゲームでどこまで恋愛できるか、オンラインで連帯する、「つながり」で社会を動かす、ケータイで都市に関わる、 リアルタイムにウェブを生きる、メディア・リテラシーの新展開、ほか。
★鈴木謙介 『ウェブ社会のゆくえ:〈多孔化〉した現実のなかで』
  日本放送出版協会, 2013.8. 251p. ¥1000(NHKブックス)
「スマートフォンが飛躍的に普及した今日、ウェブの情報空間がリアル空間と結びつく「多孔化」は、私たちの生きる現実を大きく変容させ、社会のつながりを揺るがしつつある。」
●佐藤俊樹 『社会は情報化の夢を見る:ノイマンの夢・近代の欲望』
  河出書房新社, 2010.9. 950p. ¥1500 (河出文庫)
「情報化社会」という捉え方の問題点を検証し、「技術が社会を変える」という見方に対して、社会の動きの中に情報技術を位置付けるという視点を示している。ポイントを倍にしたが、初学者でも読みやすい。初出は講談社選書メチエ(1996.6)だが、その後の動向が補章として加えられている。
●鈴木謙介 『ウェブ社会の思想:〈遍在する私〉をどう生きるか』
  日本放送出版協会, 2007.5. 265p. ¥1070(NHKブックス)
著者は新進気鋭の社会学者。「情報化で社会はどのように変化するか」と「情報化の中を人はどのように生きていけばいいか」という二つの論点を巡って書かれている。
●鈴木謙介 『カーニヴァル化する社会』
  講談社, 2005.5. 174p. ¥700(講談社現代新書)
英国の社会学者ギデンズの「再帰的近代」という概念を手がかりに、ネットワークにおけるコミュニケーション、データベースによる監視社会などの問題を論じている。
●鈴木謙介 『暴走するインターネット』
  イーストプレス, 2002.9. 238p. ¥1500
インターネットをアンソニー・ギデンズなど、社会学の理論に沿って分析している。“911テロと「2ちゃんねる」がつながったとき、なぜ「祭り」が起こったか?”、“「出会い系メディア」はなぜ私たちを惹きつけるのか?”、“インターネットは私たちを幸せにするのか?”(目次より)
●ドミニク・カルドン 『インターネット・デモクラシー:拡大する公共空間と代議制のゆくえ』
  トランスビュー, 2012.2. 191p. ¥1800
帯の宣伝文より。「自由と平等の概念を変え、公私の領域を組み換え、旧来のマスメディアを追いつめるウェブ。「薄暗がり」のおしゃべりは、はたして世界をどう変えるのか。」
●吉田 純 『インターネット空間の社会学:情報ネットワーク社会と公共圏』 
  世界思想社, 2000.7. 218p. ¥1900(SEKAISHISO SEMINAR)
「インターネット空間において「電子民主主義」は成立するか?情報ネットワーク社会の布置状況を踏まえ、ハーバーマスの公共圏概念を援用しつつ、新たな規範形成/意志形成の可能性を探る。」

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1.2 情報学者・哲学者が書いたもの

★東 浩紀 『弱いつながり:検索ワードを探す旅』
  幻冬舎, 2014.7. 164p. ¥1300
ネットの検索と旅がテーマのやさしい文章で、さらりと読み通せるはず。言語よりも言語で語ることのできないものとの出遭いこそが必要、検索の効率よりも検索する欲望をどう喚起するかが課題という問題提起。タイトルは米国の社会学者グラノヴェッターの有名な「弱い紐帯の強み」説に基づいたもの。「はじめに」の冒頭から「ネットは階級を固定する道具です。」とあり、なかなか挑発的で楽しい。
●西垣 通 『ネット社会の「正義」とは何か : 集合知と新しい民主主義』
 KADOKAWA,2014.9. 286p. ¥1700(角川選書)
「「専門的エリート」によって独占された政治を、いかにして私たちの手に取り戻すことができるのか? ネットワーク化が進む社会における集合知の可能性を問い直し「アマチュアの知」が生きる新たな民主主義像を描く。」(宣伝文より)
●河島茂生編著 『デジタルの際:情報と物質が交わる現在地点』
  聖学院大学出版会, 2014.12. 273p. ¥2000
タイトルは「でじたるのきわ」と読む。デジタル化の進展した現代社会について考察した論文集。序章を含めて九つの章から構成されており、第1〜8章は異なる事象を異なる視点から論じた八つの論文なので、部分的に読んでもよい。
●高田明典 『ネットが社会を破壊する』
  リーダーズノート, 2013.4. 267p. ¥1400
言っていることはとても分かりやすいが、参照している理論や思想がとても幅広く、しっかり読み解くには知識が必要。「情報通信工学と現代思想という二つの分野を専門領域とする著者が、孤独の増幅、悪意の増幅、良心の汚染、知性の汚染、正義の偏向、などのキーワードのもとで、ネット社会の現状と未来に警鐘を鳴らす。」(宣伝文より)
★東 浩紀 『一般意志2.0:ルソー、フロイト、グーグル』
  講談社, 2011.11. 262p. ¥1800
全15章。宣伝文より「本書では情報技術を実装した新しい民主主義、政治の道を提示することで、日本の社会に新たな一石を投じるものなのです。」
★石田英敬 『自分と未来のつくり方:情報産業社会を生きる』
  岩波書店, 2010.6. 194p. ¥780(岩波ジュニア新書)
高校生でも読めるようにやさしく書かれているが、内容は充実している。「情報産業社会を生きる人間を考えるための、やさしいレッスン。話はエンデの『モモ』からはじまり、ヴェーバーやケインズ、プラトンやデカルト、フッサールにまで広がります。」(宣伝文より)
●長尾真・遠藤薫・吉見俊哉編 『書物と映像の未来:グーグル化する世界の知の課題とは』
  岩波書店, 2010.11. 179p. ¥1500
「グーグル・ブックス、電子書籍、ユーチューブ…。情報環境が激変するなか、学術書を含めた書籍や映画、ドキュメンタリー映像等のメディア文化財をいかに保存し、継承していくか。」「国立国会図書館長の長尾真氏、東京国立近代美術館フィルムセンター主幹/国際フィルム・アーカイブ連盟会長の岡島尚志氏、NHK放送総局ライツ・アーカイブスセンター長の大路幹生氏をはじめ、書物と映像をめぐる現場・研究を先導する論者たちの発言。」(宣伝文より)
●デビッド・ワインバーガー(柏野零訳) 『インターネットはいかに知の秩序を変えるか?:デジタルの無秩序がもつ力』
  エナジクス,2008.3. 344p. ¥2400
アメリカの哲学者によるもの。さまざまな事例を中心に、それほど専門的に書かれていないので、厚くとも読みやすい。原書は2007年刊行。
★西垣 通 『集合知とは何か:ネット時代の「知」のゆくえ』
  中央公論新社, 2013.2. 220p. ¥820+税(中公新書)
インターネットによる集合知の出現は何をもたらそうとしているのか。基礎情報学を中軸に据え知の変貌と近未来社会のすがたを展望する。
●西垣 通 『ネットとリアルのあいだ:生きるための情報学』
  筑摩書房, 2009.12. 166p. ¥760(ちくまプリマー新書)
「現代は、デジタルな情報がとびかう便利な情報社会である。にもかかわらず、精神的に疲れ、ウツな気分になるのはなぜか。悲鳴をあげているのは、リアルな「生命」そのものであろう。人間の身体と心をやさしく包んでくれるITの未来を考える。」(宣伝文より)
★西垣 通 『ウェブ社会をどう生きるか』
  岩波書店, 2007.5. 182p. ¥700(岩波新書)
梅田の『ウェブ進化論』を先に読んでおくと、いっそうわかりやすい。
●西垣 通 『IT革命:ネット社会のゆくえ』
  岩波書店, 2001.5. 189p. ¥700(岩波新書)
技術的な解説はもはや古くなったが、基本的な考え方は古びていない。 数年先の見通しから数十年先の展望まで、わかりやすくていねいに書かれている。 とりわけ第4章「オンライン共同体はできるか」はすぐれた考察。
●西垣 通 『聖なるヴァーチャル・リアリティ:情報システム社会論』
  岩波書店, 1995.12. 188p. ¥1456(21世紀問題群ブックス)
ヴァーチャル・リアリティの普及により、21世紀のサイバースペースは「偽の聖なる身体」が跋扈する「電脳魔宮」となる、という暗い予感が、説得力をもって語られている。この本が書かれた1995年には、インターネット・ブームと阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きている。
●西垣 通 『マルチメディア』
  岩波書店, 1994.6. 221p. ¥563(岩波新書)
古いが、いまでも通用する考察が含まれている。現在から振り返って読むと含蓄がある。
●東 浩紀 『動物化するポストモダン:オタクから見た日本社会』
  講談社, 2001.11. 193p. ¥660(講談社現代新書)
もはやゼロ年代の古典と言ってよい。マンガ、アニメ、ゲーム、キャラクターなどオタク系文化を、豊富な具体例を引きつつ、社会学的・哲学的に論じている。【新書判だが、1ページ2ポイントとする】
●東 浩紀 『ゲーム的リアリズムの誕生:動物化するポストモダン2』
  講談社, 2007.3. 339p. ¥800(講談社現代新書)
サブタイトルどおり、2001年の作品の続編。マンガ、アニメ、ライトノベル、ゲームなどを通して現代日本の思想状況を活写した文明論。
●黒崎政男 『デジタルを哲学する:時代のテンポに翻弄される〈私〉』
  PHP研究所, 2002.9. 190p. ¥660(PHP新書)
●水越 伸 『デジタル・メディア社会』
  岩波書店, 2002.4. 285p. ¥2300
「新しいメディアアートやインターネットによる新しいジャーナリズムの登場、メディアリテラシーとデジタルデバイド問題など、国境を越えた新しいメディアを現場から分析・予測する。訂正と新しく終章を加えた99年刊の新版。」(宣伝文より)
●梅棹忠夫 『情報の文明学』
  中央公論新社, 1999.4. 316p. ¥648(中公文庫)
著者は文化人類学、比較文明論の大御所。「物質とエネルギーの産業化から、精神の産業化へ―。情報産業社会の到来をいち早く予告し、その無限の可能性を人類文明の巨大な視野のもとに考察した、先見性と独創性に富む名著。」(宣伝文より)

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1.3 その他の専門家が書いたもの

★佐々木俊尚『レイヤー化する世界:テクノロジーとの共犯関係が始まる』
 HK出版,2013.6. 278p. ¥720+税 (NHK出版新書)
(宣伝文)「情報技術の革新は、メディアや産業の構造を根底から変え、超国籍企業を生んで労働と富のグローバル化を加速し、国ぐにの力を殺いだ。ITを基盤としたシステムそのものが権力化するなか、個人もまた、生きかたの変容を迫られている。これから来る世界はいったいどのようなものなのか。そこでわれわれはどう生きていけばいいのか。斯界の第一人者が、テクノロジーの文明史を踏まえて未来の社会像を鮮明に描き出す。」
★津田大介 『情報の呼吸法』
  朝日出版社, 2012.1. 165p. ¥940
エッセイ風の文章のうえ、ページあたりの活字が少ない新書判で読みやすい。しかし考えるためのヒントやアイデア、社会学・情報学につながる話題が詰め込まれている。
★イーライ・パリサー(井口耕二訳) 『閉じこもるインターネット:グーグル・パーソナライズ・民主主義』
  早川書房, 2012.2. 328p. ¥2000
米国市民政治団体MoveOn.orgの理事会長。全8章。宣伝文より「ネット社会の「福音」か、それとも最大の危機か。「フィルターバブル」問題を世に問う話題作、待望の日本語版。本書を読まずして、これからの情報社会は語れない。」原書は2011年刊行。東浩紀、津田大介推薦。
●池田純一 『ウェブ×ソーシャル×アメリカ:〈全球時代〉の構想力』
  講談社, 2011.3, 317p. ¥800(講談社現代新書)
「Apple、Google、Twitter、Facebookは、なぜアメリカで生まれたのか?/Googleを支える思想とは何か? それはこれからどこに向かうのか?/FacebookとTwitterの本質的な違いはどこにあるのか?/ウェブの展開は「ソーシャル」という概念を、どう再定義していくのか?/ウェブによる国際化(全球化)に、ビジネスマンをはじめとして人々はどう対処していったらよいのか?」(宣伝文より)
★岡嶋裕史 『ポスト・モバイル:ITとヒトの未来図』>
  新潮社, 2010.7. 187p. ¥680 (新潮新書)
「iPad、キンドル、スレートPC、ツイッター、クラウド…ITの潮流は私たちをどこへ運んでいくのか?将来、携帯電話は、衣服や眼鏡といった、より日常的なモノに変化し、消えていく。ネット婚、電脳ペットや仮想旅行も既に本格的なビジネス化が進んでいる。実用化寸前のデバイスやシステムの最新情報を通し、コンピュータの胎内に人間や社会制度が取り込まれる未来を、あなたはもう迎えようとしている。」(宣伝文より)
●ジャロン・ラニアー(井口耕二訳) 『人間はガジェットではない:IT革命の変質とヒトの尊厳に関する提言』
  早川書房, 2010.12. 336p. ¥1500(ハヤカワ新書juice)
著者は「バーチャルリアリティの父」と呼ばれるコンピュータ科学者。目次「第1部 人とは何か/第2部 お金はどうなるのか?/第3部 フラットの耐えられない薄さ/第4部 ビットを最大限に活用する/第5部 未来の体液」
★ジャン=ノエル・ジャンヌネー(佐々木勉訳) 『Googleとの闘い:文化の多様性を守るために』
  岩波書店,2007.11. 166p. ¥1600
著者は元フランス国立図書館長。原書は2005年刊行。
●梅田望夫 『ウェブ時代をゆく:いかに働き、いかに学ぶか』
  筑摩書房,2007.11. 256p. ¥777(ちくま新書)
「現代は、江戸から明治に匹敵する「時代の大きな変わり目」だ。ウェブという「学習の高速道路」によって、どんな職業の可能性がひらかれたのか。」(宣伝文より)
★梅田望夫 『ウェブ進化論:本当の大変化はこれから始まる』
  筑摩書房,2006.2. 249p. ¥740(ちくま新書)
2006年のベストセラー。 ビジネスの視点から、何が「大変化」なのかがわかりやすく書かれている。 西垣の『ウェブ社会をどう生きるか』とはまったく異なった立場なので、合わせて読むと面白い。
●江下雅之 『リンク格差社会:ウェブ新時代の勝ち組と負け組の条件』
  毎日コミュニケーションズ, 2007.8. ???p. ¥819(マイコミ新書)
「多様なリンクを形成できた者は多様な情報が得られるがゆえに、人との交流、ビジネスチャンスといった面で多くの利点を享受でき、逆に、リンクの連鎖に取り残された者は、偏った情報に翻弄されたり、孤立を余儀なくされたりするという、新たな「格差」が生まれつつある。」(宣伝文より)
●佐々木俊尚 『ウェブ国産力:日の丸ITが世界を制す』
  アスキー,2008.1. 272p. ¥790(アスキー新書)
「パソコンやOS、検索エンジン戦争にことごとく敗北した日の丸ITが、ネットを活用して再び世界に挑戦! その熱意と創造の現場を追う。」(宣伝文より)
★佐々木俊尚 『ネット未来地図:ポスト・グーグル時代 20の論点』
  講談社, 2007.10, 224p. ¥767(講談社現代新書)
「新聞は消えるか? テレビの未来の形は? 政治も変える? ネット普及による超情報化・双方向性型社会の、五年後の姿を大胆予測。」(宣伝文より)
●佐々木俊尚 『フラット革命』
  講談社, 2007.8, 286p. ¥1680
「大新聞・巨大メディアの没落、ネット右翼と左翼の対立、ミクシィ的人間関係、ブログ炎上と終わりなき論争−。「グーグルGoogle」「次世代ウェブ」の著者が、日本を根幹から変えはじめたネット社会の真実を明かす。」(宣伝文より)
●佐々木俊尚 『次世代ウェブ:グーグルの次のモデル』
  光文社, 2007.1, 278p. ¥798(光文社新書)
「Web2.0といえば、すぐグーグルなどの米国企業をイメージしがち。だが本書は、SNS最大手「ミクシィ」など、日本の1976年生まれ(通称ナナロク世代)のベンチャーに光を当て、彼らのWeb2.0ビジネスを紹介する。」(宣伝文より)
●毎日新聞取材班 『ネット君臨』
  毎日新聞社,2007.10. 237p. ¥1400+税
ジャーナリストの視点から書かれた問題提起の書。「匿名社会の恐怖、拡大するネット犯罪…ネットは我々をどう変えるのか。」(宣伝文より)
●正高信男 『ウェブ人間退化論:「社会のIT化」は「サル化」への道!?』
  PHP研究所,2008.5. 222p. ¥1260
著者はサル研究を専門としている動物行動学者。「生まれた時からこのIT社会にどっぷり漬かっている若者や子供たちには、すでにそのマイナスの傾向が見え始めている――。」(宣伝文より)
●遠藤 薫 『インターネットと〈世論〉形成:間メディア的言説の連鎖と抗争』
 東京電機大学出版局, 2004.11. 351p. ¥3675
第T部 インターネット社会における〈世論〉の諸問題/ 第U部 現場からの報告/第V部「2ちゃんねる」という問題/ 第W部 インターネットと〈世論〉、そして社会変動(目次より)

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1.4 対談・座談会

★梅田望夫・平野啓一郎 『ウェブ人間論』
  新潮社,2006.2. 203p. ¥680(新潮社新書)
ビジネスマンである梅田と、小説家である平野の対談集。二人の意見が共鳴しつつも微妙に食い違っているのが興味深い。ウェブ社会がもたらす変化に対して、梅田は楽観的、競争主義的で、平野はやや批判的。梅田の『ウェブ進化論』を先に読んだ方が分かりやすい。
●東 浩紀 『波状言論S改:社会学・メタゲーム・自由』
  青土社, 2005.11. 347+6p. ¥1600
著者と鈴木謙介が、宮台真司、北田暁大、大澤真幸のそれぞれと行なった3回の鼎談(3人の座談会)を収録したもの。登場する5人の著作を1点ずつでも読んでいないと理解は難しいが、議論に緊張感があり、きわめて知的刺激に富んだ内容である。
●宮台真司・神保哲生ほか 『ネット社会の未来像』
  春秋社, 2006.1. 338p. ¥1600(神保・宮台マル激トーク・オン・デマンド)
宮台真司と神保哲生の二人をホストとし、一人ずつのゲストを迎えての鼎談集。ゲストは、東浩紀、水越伸、西垣通、池田信夫。宮台のまえがき「IT化が突きつける価値選択」7ページが、簡潔な社会学的見取り図になっている。

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1.5 ITとインターネットの技術

★小林雅一 『AIの衝撃』
 講談社,2015.3. 247p. ¥800(講談社現代新書)
10年後のメディア環境を考えるためには、いまコンピュータ開発の最先端で何が起こっているのかを知らなければならない。人工知能研究の最先端をわかりやすく紹介。
●竹内 薫 『量子コンピュータが本当にすごい』
 PHP研究所,2015.6. 247p. ¥840(PHP新書)
10年後のメディア環境を考えるためには、いまコンピュータ開発の最先端で何が起こっているのかを知らなければならない。量子コンピュータ開発の最先端をわかりやすく紹介。文体は(関西弁をまじえて)非常に軟らかいが、内容は十分に深い。コンピュータの原理、量子力学の基礎、暗号解読の理論まで。
●松尾 豊 『人工知能は人間を超えるか : ディープラーニングの先にあるもの』
 KADOKAWA,2015.3. 263p. ¥1400(角川EPUB選書)
「グーグルやフェイスブックが開発にしのぎを削る人工知能。日本トップクラスの研究者の一人である著者が、最新技術「ディープラーニング」とこれまでの知的格闘を解きほぐし、知能とは何か、人間とは何かを問い直す。」(宣伝文より)
●小川晃通 『アカマイ : 知られざるインターネットの巨人』
 KADOKAWA,2014.8. 225p. ¥1500(角川EPUB選書)
「いまやネットを流れる情報の半分近くは「ハイパー・ジャイアンツ」たるグーグルと、この会社「アカマイ」が握っている。ハワイ語で「賢い」という意味を持つ多国籍企業アカマイ。公的機関から大手コンテンツ事業者まで、世界中の顧客に安全で迅速なトラフィックを約束する、この知られざる超大企業の全容が初めて明かされる、インターネットが面白くも怖ろしくもなる、衝撃の書。」(宣伝文より)
●田中浩也 『SFを実現する:3Dプリンタの想像力』
 講談社,2014.5. 276p. ¥840(講談社現代新書)
「遠隔転送装置、スモールライト、万能工作機械…3Dプリンタはまだ序章でしかない!大注目の次世代工学者が描く新しい「モノづくり」とは?」(宣伝文より)
●クリストファー・スタイナー 『アルゴリズムが世界を支配する』
 KADOKAWA,2013.10. 379p. ¥840(角川EPUB選書)
「2000年代、ウォール街で金融商品の開発に活用されたことで一気に進歩したアルゴリズム。映画や音楽のヒット予測に限らない、今や私たちの生活のあらゆる場面に進出しているのだ――。」(宣伝文より)
★大向一輝・池谷瑠絵 『ウェブらしさを考える本:つながり社会のゆくえ』
  丸善, 2012.3. 190p. ¥760
ウェブの本質特徴を一般向けにやさしく解説。二つの集合知(集団的知性、群集の叡智)についての説明も興味深い。
なお、全文がウェブ上で無料公開されています。
●西田宗千佳 『スマートテレビ:スマートフォン、タブレットの次の戦場』
 アスキー,2012.4. 189p. ¥743(アスキー新書)
次世代テレビについての産業寄り、技術寄りの概説書。数年先のメディア環境を考える手がかりとして。
●志村一隆 『明日のメディア:3年後のテレビ、SNS、広告、クラウドの地平線』
 ディスカヴァー・トゥエンティワン,2011.10. 252p. ¥1000(ディスカヴァー携書)
長い副書名のとおり、数年先のメディア環境を予想。
●ニコラス・G・カー 『クラウド化する世界』
  翔泳社,2008.10. 313p. ¥2100
電力が各自の自家発電から電力会社による給電に移行したように、コンピュータの計算資源も自前のコンピュータからネットの向こうのサービスに依存する「クラウド」の社会へ移行することの必然とビジネスモデルの変化を論じた本。
●深見嘉明 『ウェブは菩薩である:メタデータが世界を変える』
  NTT出版, 2008.7. 218p. ¥1500
ウェブのアーキテクチャをやさしい語り口で解説。
●西田圭介 『Googleを支える技術』
  技術評論社, 2008.4. 271p. ¥2280(WEB+DB PRESS plus)
Googleのしくみを技術的な面から解説。
●岡嶋 裕史 『構造化するウェブ』
  講談社, 2007.11. 195p. ¥861(ブルーバックス)
「ウェブの理想型のように語られるウェブ2.0は、じつはウェブの構造化における通過点でしかない。では、ウェブはどこへ向かい、何を可能とするのか。ウェブの技術的系譜を追いながら、構造化を形作る技術について解説する。」(宣伝文より)
●坂村 健 『ユビキタスとは何か:情報・技術・人間』
  岩波書店, 2007.7. 215p. ¥735(岩波新書)
「お弁当、薬、洋服、家、道路−身の回りのあらゆる物に小さなコンピュータを組み込み、ネットワークに接続することで、「現実」と「情報」がつながる。いま世界的に注目を集めている新しいインフラ技術は、日本発!次世代の少子高齢化社会を支える切り札、ユビキタス技術の考え方と可能性を、第一人者が分かりやすく語る。」(宣伝文より)

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1.6 インターネットの歴史

●高橋 徹 『インターネット私史:その礎を築いた友たちへ』
 インプレスR&D, 2014.11. 170p. \1800(NextPublishing)
「インターネットは21世紀の産業のエンジンである。だが、日本に「IT産業」はない。「IT利用産業」があるだけだ――この国の壁、そして通信の巨人に挑んだ経営者の壮大な夢と危機感。インテル、グーグル、Amazon……インターネットには、これからどのような可能性が秘められているのか? 日本発の技術で、世界を変えるために必要なこととは?」(宣伝文より)
●鈴木幸一 『日本インターネット書紀:この国のインターネットは、解体寸前のビルに間借りした小さな会社からはじまった』
 講談社,2015.3. 476p. \2600
「日本、アジアのインターネットの普及に尽力し、日本人で初めてインターネットの殿堂(Internet Society's Hall of Fame)に選ばれた高橋徹氏が、インターネットとの出合いからこれまでの道のりを振り返る「私的」なインターネット史です。インターネット時代の礎を共に築いた多くの人々との交流の日々や、商用インターネット市場の初期段階での葛藤、アジア太平洋地域における整備など、赤裸々に語られるエピソードの中に、その発展に人生を掛けた人々の歩み、インターネット文化の本質が語られます。」(宣伝文より)
●井上トシユキ 『カネと野望のインターネット10年史』
  扶桑社, 2007.6. 183p. ¥700(扶桑社新書)
「それは確かに革命だった。すべての革命はそうであるように光と影があった。これはネットビジネスの興亡を描き尽くした年代記だ。宮崎哲弥」(宣伝文より)
●ケーティ・ハーフナー,マシュー・ライアン(加地永都子,道田豪訳)  『インターネットの起源』
  アスキー, 2000.7. 317p. ¥2500
1960年代に米国で開発されたインターネットの起源を当時の研究者たちへのインタビューなどを元に紹介。インターネットの特性を理解するのに有用。
●桂英史 『インタラクティヴ・マインド:近代図書館からコンピュータ・ネットワークへ』新版
  岩波書店, 2002.12. 237p. ¥2625
メディアの歴史を考察するにあたって示唆に富んでいる。1995年に岩波書店から刊行された著作の新版。
●ニール・ランダール(村井 純 等訳)  『インターネットヒストリー:オープンソース革命の起源』
  オライリー・ジャパン, 1999.6. 389p. ¥2300
インターネットの発展の経緯を起源を当時の研究者たちへのインタビューなどを元に紹介。ARPANETからブラウザ戦争まで、様々なエピソードが盛り込まれており、日常当然のごとく使っているインターネットに一層興味がわいてくる本。(T)
●村井純 『インターネット』
  岩波書店, 1995.11. 206p. ¥631(岩波新書)
著者は日本のインターネット研究の第一人者。 すでに古くなった内容もあるが、インターネットの思想を語っている部分はいまでも新しい。「第4章 インターネットの変遷」は、日本のインターネット黎明期を活写している。
●村井純 『インターネットII:次世代への扉』
  岩波書店, 1998.7. 202p. ¥640(岩波新書)
上掲書の続編。インターネットの問題点とこれからの展望を論じている。
●古瀬幸広、廣瀬克哉 『インターネットが変える世界』
  岩波書店, 1996.2. 208p. ¥631(岩波新書)
インターネットの歴史と黎明期の思想的背景がわかる。

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2. ネットワーク社会・情報化社会をさまざまな視点から考えるための本

2.1 マスメディア(1)〜テレビ・新聞・ジャーナリズム

●黄菊英 著, 長谷 正人 著, 太田 省一 『クイズ化するテレビ』
 青弓社, 2014.7. 184p. ¥1600+税(青弓社ライブラリー)
いまテレビは無数の問いかけと答え=クイズであふれている。啓蒙・娯楽・見せ物化というクイズの特性がテレビを覆い尽くし、情報の提示そのものがイベント化している現状を、韓国の留学生が具体的な番組を取り上げながら読み解く「テレビの文化人類学」。(宣伝文より)
●岩本 裕 『世論調査とは何だろうか』
  講談社, 2015.5. 256p. ¥800(岩波新書)
「結果次第では内閣の命運も左右するといわれる世論調査。それは国民の意思や意見のありかを伝え、権力を監視する強力な手段でもある。民主主義の礎としての重要性を説く。」(宣伝文より)
●高木 徹 『国際メディア情報戦』
  講談社, 2014.1. 261p. ¥800(講談社現代新書)
視野を世界に広げないと見えてこない情報戦争について、身近で豊富な具体例によりわかりやすく解説。アメリカ大統領選の裏舞台、対テロ戦争と次世代アルカイダ、情報戦争における日本の弱みと強みなど。
★上杉 隆『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』
 PHP研究所,2012.2. 199p. ¥720+税 (PHPビジネス新書)
著者は、日本の記者クラブ制度の閉鎖性を厳しく追及してきた元ニューヨークタイムズの記者です。3.11報道については「9のウソ」(「メルトダウンはしていません」「放射性物質は拡散していません」など)を告発。日本におけるジャーナリストと官僚、政治家との馴れ合いを「官報複合体」と呼んで糾弾している。
★佐々木俊尚 『「当事者」の時代』
  光文社,2012.3. 468p. ¥950(光文社新書)
筆者は元毎日新聞の記者。自らの記者としての体験と丁寧な取材をもとにして、日本のジャーナリズムおよび社会運動を、「マイノリティ憑依」というキーワードで批判する読み応えのある一冊。
●佐々木俊尚 『2011年新聞・テレビ消滅』
  文藝春秋,2009.7. 237p. ¥788(文春新書)
「編集・編成権に支えられたマスコミのビジネスモデルが危機を迎えた。ジャーナリズムはなくなるのか? 世論形成は誰が行うのか?」(宣伝文より)
★内田 樹 『街場のメディア論』
  光文社,2010.8. 213p. ¥740(光文社新書)
ベストセラーの多い内田氏のメディア論。日本のマスメディアはなぜ凋落(ちょうらく)したのかが解き明かされます。大学の講義をもとにしているので、読みやすい文体です。
●指南役 『テレビは余命7年』
  大和書房,2011.9. 244p. ¥1400
著者は放送作家として長年テレビ業界にかかわってきた人物。テレビドラマがつまらなくなった理由などをあげ、テレビ業界を江戸末期の幕府に喩え、余命をあと7年と宣告している。
★影浦 峡 『信頼の条件:原発事故をめぐることば』
 岩波書店,2013.4. 98p. ¥1200(岩波科学ライブラリー)
著者は情報学の研究者、東大教授。「福島原発事故後、事実としても科学としても誤った発言が跋扈した。ところが、受け手の市民に責任が転嫁される事態が生じている。専門家といわれる人々のことばから論理の構造を抽出し、どこに問題があるのかを明確にする。信頼の条件とは、内容の確かさだけではない。科学者を含む市民皆が直視すべき、知識の扱い方の問題である。」(宣伝文より)
★影浦 峡 『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く:社会情報リテラシー実践講座』
 現代企画室,2011.7. 193p. ¥1050
著者は情報学の研究者、東大教授。「基準を何倍も超えても「危険でない」なら、基準ってなんのためにあるの?/いろいろな情報がありすぎて、何を信じたらいいのかわからない!/こんな不安を感じるのは、あなたのせいではない。問題は、言葉を空虚にする報道のあり方そのものにある。/大切なのは、情報をよく聞きわけ、基本的な事実や言葉の意味に立ちかえり、自分自身で判断すること。/放射能汚染の危険に、私たち市民はいかに向きあうのか。そのヒントを、気鋭の情報論研究者が、実際の報道の詳細な分析を通じて解きあかす。」(宣伝文より)
●河内 孝 『次に来るメディアは何か』
 筑摩書房,2010.1. 232p. ¥740+税 (ちくま新書)
著者は元毎日新聞常務取締役。「日本のメディア産業は、どのようなビジネスモデルを見出し、再編成されてゆくのだろうか。日本の未来予測にとって重要な指標となるアメリカの事例を参照しながら、メディア産業の未来を描く。」(宣伝文より)
●中川勇樹 『テレビ局の裏側』
 新潮社,2009.4. 301p. ¥207+税 (新潮新書)
著者はフリーのテレビディレクター。
●小林弘人 『新世紀メディア論:新聞・雑誌が死ぬ前に』
 バジリコ,2009.4. 301p. ¥1500
「ITメディア界の仕掛け人・小林弘人が、世界のウェブメディア最先端情報を紹介しつつ、今後メディアビジネスで成功するため必須のノウハウをおしげもなく公開。」(宣伝文より)
●猪熊建夫 『新聞・TVが消える日』
 集英社,2009.2. 195p. ¥700+税(集英社新書)
「ウェブ時代に生き残るメディアとは? テレビが消える? 大手新聞社が崩壊? ネットの大波に曝され、変革を迫られるコンテンツ産業。新聞業界の窒息を資本の閉鎖性と絡めて論じる、など元経済部デスクの確かな眼で、業界全体を見渡す!」(宣伝文より)
★境 真良 『テレビ進化論』
 講談社,2008.4. 221p. ¥756(講談社現代新書)
「インターネットの躍動、テレビ業界の憂鬱 ネットの進化はテレビを滅ぼす!? 『放送と通信の融合』の意味とは? 映像コンテンツ産業の来歴と構造から、いま起きつつある地殻変動の本質を解き明かす。」(宣伝文より)
★歌田明弘 『ネットはテレビをどう呑みこむのか?』
 アスキー,2007.6. 250p. ¥724(アスキー新書)
著者はITコラムニスト。放送と通信の融合、テレビとネット近未来を、豊富な実例でていねいに描き出している。
●松田美智子 『新潟少女監禁事件:密室の3364日』
 朝日新聞出版, 2009.2. 322p. ¥740+税(朝日文庫)
“男は、小学4年生の女児を連れ去り、9年2ヵ月にわたり彼女を自室に閉じ込めつづけた。その間、女児は文字どおり一歩も外にでることを許されなかった。本書は、信じがたいが、しかし実際に起きたこの監禁事件を追ったノン・フィクションです。事件それ自体の内容もさることながら、ジャーナリストがいかに取材・記述するのか、その仕事の進め方が丁寧に描かれています。伝える職業に興味のある方は必読です。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2010年度)】
●柏倉康夫・佐藤卓己・小室広佐子 『日本のマスメディア』
 放送大学教育振興会, 2007.4. 172p. ¥1900+税
放送大学教養学部の総合科目「日本のマスメディア('07)」のテキスト。新聞、ジャーナリズム、雑誌、ラジオ、テレビ、取材倫理、メディアリテラシーについて幅広く解説している入門書。
●藤平芳紀 『視聴率の正しい使い方』
 朝日新聞社,2007.4. 239p. ¥756+税 (朝日新書)
視聴率を使った卒論・ゼミ論を書くときの必読書。
●佐藤卓己 『メディア社会:現代を読み解く視点』
 岩波書店, 2006.6. 221p. ¥740+税(岩波新書)
「メディアの役割がますます重要になっている現在、私たちはメディアの現状をどうとらえ、どう接するべきか。小泉政治やライブドア事件など、様々なニュースや社会現象を分析し、メディアと現代社会のありようを鋭く読み解く。」(宣伝文より)

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2.2 マスメディア(2)〜本・電子書籍

★日本図書館情報学会研究委員会編 『電子書籍と電子ジャーナル』
 勉誠出版,2014.11. 265p. ¥1800+税 (わかる!図書館情報学シリーズ)
海野が第2章「メディアとしての電子書籍」(pp.37-53.)の執筆を担当。この部分だけ読んでもよい。
●岸 博幸 『アマゾン、アップルが日本を蝕む:電子書籍とネット帝国主義』
 PHP研究所,2011.4. 265p. ¥820+税 (PHPビジネス新書)
「電子書籍の登場に警戒する出版業界、ビジネスチャンスを狙う電機・IT業界……双方のアタマに風穴を開ける、未来を見通す戦略書。」「日本はいかに米国ネット企業の搾取にストップをかけ、ネット帝国主義に対応すべきか。」(宣伝文より)
●山田 順 『出版大崩壊:電子書籍の罠』
 文藝春秋, 2011.3. 256p. ¥820+税(文春新書)
「大手出版社に34年間勤め、電子出版に身を投じた編集者が、自らの体験を基に既成メディアの希望的観測を打ち砕く衝撃レポート。」(宣伝文より)
●池澤夏樹編 『本は、これから』
 岩波書店 , 2010.11. 244p. ¥820+税(岩波新書)
「本の過去と未来を俯瞰する三七のエッセイ。」(宣伝文より)
●歌田明弘 『電子書籍の時代は本当に来るのか』
 筑摩書房,2010.10. 269p. ¥820+税 (ちくま新書)
「グーグル、アップル、アマゾンらの最新の動向と、それに対峙する日本の出版社・新聞社の試みとを丹念に取材・分析」(宣伝文より)
●大原ケイ 『ルポ 電子書籍大国アメリカ』
 アスキー・メディアワークス,2010.9. 191p. ¥820+税 (アスキー新書)
「日本でも電子書籍元年を迎えた2010年。アマゾン、グーグル、アップルの真の目的は何か?本の電子化で読書習慣、思考の仕方、出版社・著者・読者のあり方はどう変わっていくのか?電子書籍とブックピープルの未来地図がここにある!電子書籍市場の最前線からレポート。」(宣伝文より)
●齋藤 孝 『読書力』
 岩波書店, 2002.9. 210p. ¥740+税(新書)
本はなぜ読まなければならないのかを納得させてくれる一冊。本の読み方も指南。
●齋藤 孝 『10分あれば書店に行きなさい』
 メディアファクトリー, 2012.10. 196p. ¥700+税(メディアファクトリー新書)
●平野啓一郎 『本の読み方:スロー・リーディングの実践』
  PHP研究所, 2006.8. 224p. ¥756(PHP新書)
本の読み方を変えたい人にお薦め。「速読は本当に効果があるのか? 10冊の本を闇雲に読むよりも、1冊を丹念に読んだほうが、人生にとってはるかに有益ではないのか? 著者は、情報が氾濫する時代だからこそ、「スロー・リーディング」を提唱する。」(宣伝文より)

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2.3 ソーシャルメディア〜ブログ・ツィッター・2ちゃんねる etc.

*このカテゴリは、最新動向と近未来予測を踏まえた新刊書が次々と刊行されています。ネットや書店で自分で探してみましょう。新書判がねらい目です。

●津田大介 『動員の革命:ソーシャルメディアは何を変えたのか』
  中央公論新社, 2012.4. 262p. ¥760 (中公新書ラクレ)
エッセイ風の文章で読みやすい。マイクロペイメント、クラウドファンディングなど、ソーシャルメディアの新しい使い方と可能性を豊富な具体例で描いている。
●津田大介 『ウェブで政治を動かす!』
 朝日新聞出版, 2012.11. 304p. ¥820(朝日新書)
「われわれはいつから「政治」に興味がなくなってしまったのだろうか―。政治は、もはや遠い世界の出来事ではない。ウェブを駆使して社会を動かせる時代は、もうそこまで来ている!本書では動員の革命、政治家のSNS利用、ネット選挙、オープンガバメントなど、政治への新しいアプローチを説く。」(宣伝文より)
●山田 順 『本当は怖いソーシャルメディア:2015年「メディア融合時代」を考える』
  小学館, 2012.3. 222p. ¥720 (小学館101新書)
フェイスブック、ツイッターなどソーシャルメディアを次世代のメディアとして礼賛する声が多いなか、その社会的な問題点、危険性を論じている。
●小林啓倫 『災害とソーシャルメディア:混乱、そして再生へと導く人々の「つながり」』
  毎日コミュニケーションズ, 2011.7. 239p. ¥830(マイコミ新書)
●立入勝義 『そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?:検証 東日本大震災』
 ディスカヴァー・トゥエンティワン,2011.6. 267p. ¥1000(ディスカヴァー携書)
著者はブログ作家。ソーシャルメディアが東日本大震災でどのように活用されたか、ソーシャルメディアによるどのような復興支援プロジェクトがあったか、どにょうなデマと風評被害があったかなどを記録している。
●ジョン・キム 『逆パノプティコン社会の到来:ジョン・キムのハーバード講義 ウィキリークスからフェイスブック革命まで』
 ディスカヴァー・トゥエンティワン,2011.4. 239p. ¥1000(ディスカヴァー携書)
ウィキリークスの誕生、特徴、経緯、そしてそのメディアとしての意義を解説。中東のフェスブック革命についても。
●濱野智史・佐々木博 『日本的ソーシャルメディアの未来』
  技術評論社,2011.3. 175p. ¥1480+税(PCポケットカルチャー)
「ネットコミュニティの研究では他の追随を許さない濱野智史が、「そもそも“共同体”(コミュニティ)“社会”(ソサエティ)って何?」といった話題から集合知・アーキテクチャの仕組みやソーシャルメディアの未来までを、ナビゲーター・佐々木博とともに徹底的に語り尽くす。」(宣伝文より)
●山本まさき・古田雄介 『ウィキペディアで何が起こっているのか:変わり始めるソーシャルメディア信仰』
  九天社,2008.5. 219p. ¥1900
いまやネット検索で上位にヒットすることが珍しくないウィキペディアであるが、項目が玉石混交であること、内容が間違いだらけのことがあること、悪意ある書き手を防げないことなどの危険を指摘している。ネットの匿名性と民主制を考えるために大いに参考になる。
●ひろゆき 『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』
 扶桑社, 2009.5. 243p. ¥777(扶桑社新書)
著者は2ちゃんねるの元・管理人。「2009年1月2日、ブログにて突如、巨大インターネット掲示板「2ちゃんねる」の譲渡を発表した著者が、“2ちゃん譲渡”の真相をはじめて語るとともに、クラウドコンピューティングやフィルタリングなど、最近流行りのネット用語の大きな勘違いをバッサリ! また、ニコニコ動画管理人として、なかなか儲からない動画ビジネスの現実と未来や、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌の四大マスメディアとネットビジネスの比較論も展開する。」(宣伝文より)
●鈴木淳史 『美しい日本の掲示板:インターネット掲示板の文化論』
 洋泉社, 2003.6. 188p. ¥1429(新書y)
第1章 掲示板とは何か?(インターネットという依存症そもそも掲示板とは)/ 第2章 掲示板のしくみ(個人サイトの掲示板掲示板から人間関係をあぶり出す ほか)/ 第3章 掲示板は日本文化である(無名性というパラダイスマターリ化とコピペ ほか)/ 第4章 マス・メディアと掲示板(マスコミvs2ちゃんねるマスコミのしくみ ほか) (目次より)

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2.4 グーグル・サーチエンジン

●シヴァ・ヴァイディアナサン 『グーグル化の見えざる代償:ウェブ・書籍・知識・記憶の変容』
  インプレスジャパン,2012.2. p.319. ¥2000
「企業/技術/市場/メディア/個人/公共/知識/記憶など、様々な視点から、グーグル化の実像を描き出す。4年を費やして丹念に調査・執筆。世界的なグーグル化現象を見究めながら、期待や幻滅、容認、警鐘を記した渾身の一冊。」(宣伝文より)
●スティーブン・レヴィ 『グーグル ネット覇者の真実:追われる立場から追う立場へ』
  阪急コミュニケーションズ,2011.12. p.629. ¥1995
グーグルの関係者に取材して、発展の経緯を詳細に分析したノンフィクション。グーグルの様々な「なぜ」に答えを与えてくれる。
●ケン・オーレッタ 『グーグル秘録:完全なる破壊』
  文藝春秋,2010.5. 549p. ¥1995
グーグル関係者や競争相手に取材して、グーグルの創業から現在までの活動を描いた本格的なルポルタージュ。
★竹内一正 『グーグルが日本を破壊する』
  PHP研究所, 2008.4. 222p. ¥756(PHP新書)
「検索連動型広告という新しいビジネスモデルによって、時価総額二六兆円の大企業となったグーグルは、世界中の情報を支配することで、世の常識とルールを破壊しつづけている。」(宣伝文より)
●小山雄二 『Googleが消える日:情報学序説』
  カナリア書房, 2008.5. 214p. ¥1400
「無法地帯と化したインターネットの世界。信頼を基盤とする情報化社会の構築は可能か。」(宣伝文より)
●NHK取材班 『NHKスペシャル グーグル革命の衝撃』
  日本放送出版協会, 2007.5. 269p. ¥1000
2007年1月に放送されたNHKスペシャルのための取材内容を改めてまとめたもの。ジャーナリスティックな文章なので非常に読みやすい。
●吉本敏洋 『グーグル八分とは何か』
  九天社, 2007.1. 269p. ¥857(PHP新書)
グーグル八分とは、村八分から発想したことばで、グーグルが特定のウェブサイトを検索結果に含まれないようにすること。著者の体験に基づいてグーグルによる検閲、言論封殺を批判している。
●森 健 『グーグル・アマゾン化する社会』
  光文社, 2006.9. 253p. ¥735(光文社新書)
検索システムの支配する社会の問題点を指摘している。「多様化、個人化、フラット化した世界で、なぜ一極集中が起きるのか? 気鋭のジャーナリストが、ネット社会の矛盾に斬り込む。」(宣伝文より)
●佐々木俊尚 『グーグル Google:既存のビジネスを破壊する』
  文藝春秋,2006.4. 248p. ¥760(文春新書)
古くなって最新動向を欠くが、グーグルの全体像、グーグルの経営理念を把握するのによい。

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2.5 ネットワークの心理・病理・精神分析

★荻上チキ 『ネットいじめ:ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」』
 PHP研究所, 2008.7. 269p. ¥740+税(PHP新書)
「「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。はたしてこれで、いじめは減るのか? 「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。学校でも、職場でも簡単に見えるようになった〈陰口〉。この息苦しさの正体が明らかになる。」(宣伝文より)
★荻上チキ 『ウェブ炎上:ネット群集の暴走と可能性』
 筑摩書房, 2007.10. 221p. ¥700(ちくま新書)
ブログや掲示板が炎上する仕組みを、サイバーカスケード、ハイパーリアリティ、エコチェンバーなどの概念を使ってわかりやすく説明している。
●吉原 真里 『ドット・コム・ラヴァーズ:ネットで出会うアメリカの女と男』
 PHP研究社, 2008.7. 269p. ¥740+税(PHP新書)
「「オンライン・デーティング」とは、インターネットのサイトを使ってデート相手を探すことである。年齢・職業・人種・地域を超え、今や、アメリカ主流文化の一部となっている。」「大手サイトに登録した著者は、ニューヨーク、そしてハワイで、さまざまなアメリカ男たちと「デート」する。」(宣伝文より)
●岩田考ほか編 『若者たちのコミュニケーション・サバイバル:親密さのゆくえ』
 恒星社厚生閣, 2006.3. 169p. ¥2000
8本の独立した論文を収録。第7章「メディア・コミュニケーションにおける親密な関係の築き方:パソコン通信からインターネットの時代へ」と第8章「インターネット社会の恋愛関係:『複合現実社会』における親密性と匿名性」のみを読んでもよい。
●江下雅之 『ネットワーク社会の深層構造:「薄口」の人間関係へ 』
 中央公論社, 2000.1. 273p. ¥882(中公新書)
ダイヤルQ2が例としてあげられているなど、すでに内容が古い部分もあるが、第4章「ネットワーク上に見られる現象」、第5章「コミュニケーションの原理」など、ネット上でのコミュニケーションの特徴に冠する考察は、いまでも十分に通用する。
●アダム N.ジョインソン(三浦 麻子ほか訳) 『インターネットにおける行動と心理:バーチャルと現実のはざまで』
 北大路書房, 2004.2. 246p. ¥2940
第3章 インターネット行動の個人的/対人関係の否定的側面/ 第4章 抑うつ,ウソ,ポルノ:オンライン生活の暗黒面/ 第5章 インターネット上の個人内・個人間行動:肯定的な側面/ 第6章 共有とネットサーフィン:オンライン・コミュニケーションとウェブ・ブラウジングの利点/ 第7章 インターネット行動を理解するためのフレームワーク (目次より)
●パトリシア ウォレス (川浦 康至ほか訳) 『インターネットの心理学』
 NTT出版, 2001.9. 345p. ¥3200
「ネット上で、まるで人が変わったように積極的になったり、あるいは攻撃的になったり、ときには異性になりすます。そんな、インターネット空間に特有の人間行動を、心理学の観点から解き明かそうとした本である。」
●池田 謙一 『ネットワーキング・コミュニティ』
 東京大学出版会, 1997.10. 202p. ¥3000
「ネット上で、まるで人が変わったように積極的になったり、あるいは攻撃的になったり、ときには異性になりすます。そんな、インターネット空間に特有の人間行動を、心理学の観点から解き明かそうとした本である。」
●バリー・サンダース(杉本卓訳) 『本が死ぬところ暴力が生まれる :電子メディア時代における人間性の崩壊』
 新曜社, 1998.10. 318p. ¥2850
●宮田加久子編著 『オンライン化する日常生活:サポートはどう変わるのか』
 文化書房博文社, 2008.7. 188p. ¥3200+税
部分読み可。目次より「1章 インターネットによるソーシャル・サポート 2章 少数派の組織化とインターネット 3章 インターネットは家族に何をもたらすのか 4章 超高齢社会における「シニアネット」の可能性 5章 シニア世代におけるオンライン、オフラインでのソーシャル・サポートの効果」
●宮田加久子 『電子メディア社会:新しいコミュニケーション環境の社会心理』
 誠信書房, 1993.8. 211p. ¥2600
すでに古いが、基本的な考え方は変わっておらず、研究方法も参考になる。
●川上善郎ほか 『電子ネットワーキングの社会心理 :コンピュータコミュニケーションへのパスポート』
 誠信書房, 1993.4. 216p. ¥2800
すでに古いが、基本的な考え方は変わっておらず、研究方法も参考になる。

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2.6 ネット犯罪・セキュリティ・情報倫理

●ジョナサン・ジットレイン 『インターネットが死ぬ日』
 早川書房,2009.6. 466p. ¥1470税込(ハヤカワ新書juice)
「インターネットが爆発的に普及して生活が豊かになった反面、悪意あるサイトへの誘導、ウイルス感染、ネット犯罪に直面する危険性は増している。世界が注目するサイバー法学者が放つウェブ退化論」(宣伝文より)
●熊谷直樹 『ウェブ時代の暗号:ネットセキュリティの挑戦』
 筑摩書房,2007.12. 222p. ¥735税込(ちくま新書)
「クレジット決済、ネット・バンキングなどが一般化した現在、暗号技術を駆使したウェブ・セキュリティはあらゆる企業にとって不可避の課題となった。暗号を可能にする理論や仕組みを解説し、現代の暗号社会の核心に迫る。」(宣伝文より)
●佐々木 良一 『ウィニー:情報流出との闘い』
 宝島社, 2006.6., 190p. ¥735(宝島社新書)
「ウィニーを使っていなくても危険。あなたの情報も流出している! そんな事態に対応すべく、ウィニーによる情報流出のしくみとその対策を、専門用語を避けてやさしく解説。また、ウィニーと社会との関わりについても考える。」(宣伝文より)
●ブルース スターリング(今岡 清訳) 『ハッカーを追え!』新装版
 アスキー, 2001.3. 442p. ¥1480
古典的なロングセラー。ノンフィクション。1990年にFBIによって行なわれたハッカー一斉取締りを題材にしている。
●クリフォード ストール(池 央耿訳) 『カッコウはコンピュータに卵を産む』上・下
 草思社, 1991.9. 302+293p. ¥1900+¥1900
これも古典。ノンフィクション。だいぶ古いが、ハッカーの存在を世界に知らしめたベストセラー。

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2.7 著作権・知的財産権

●福井健策 『誰が「知」を独占するのか:デジタルアーカイブ戦争』
 集英社, 2014.9. 247p. ¥760(集英社新書)
「近年、アーカイブのデジタル化に伴い、これら「情報資産」を巡る国境を越えた覇権争いが激化している。グーグルやアマゾンなどアメリカ発の企業が世界中の情報インフラを掌握しつつある一方で、お粗末極まりないのが日本の現状。本書では世界を巻き込んだ「知の覇権戦争」の最新事情を紹介し、日本独自の情報インフラ整備の必要性を説く。」(宣伝文より)
●増田雅史 『デジタルコンテンツ法制』
 朝日新聞出版,2012.3. 191p. ¥1890
デジタルコンテンツビジネスに不可欠な法制の歴史、動向を解説。 第I章「コンテンツ法制の中核としての著作権法」、第II章「デジタルコンテンツ法制の成立と発展」、第III章「2010年代のデジタルコンテンツ法制」。
●野口祐子 『デジタル時代の著作権』
 筑摩書房,2010.10. 286p. 税込¥903(ちくま新書)
デジタル技術とインターネットが普及した現在における著作権の状況や問題点を解説。 著作権法だけでなく、クリエイティブコモンズや未来の著作権にも言及している。
●荒井寿光 『知財革命』
 角川書店, 2006.9. 178p. ¥660(角川oneテーマ21)
進化する知財戦略/知的財産と国際関係/重要性を増すコンテンツビジネス/知財の専門家を養成する/特許から始まる知財戦略(目次より)
●牧野和夫・西村博之 『2ちゃんねるで学ぶ著作権』
 アスキー, 2006.7. 191p. ¥1300
情報法制専門の弁護士とは2ちゃんねるの管理人との対話形式。2ちゃんねるでの実例で著作権をめぐる法律問題をやさしく解説している。
●白田秀彰 『インターネットの法と慣習:かなり奇妙な法学入門』
 ソフトバンククリエイティブ, 2006.7. 212p. ¥700(ソフトバンク新書)
「インターネットにおける「法」と「慣習」を考察して、今後のネット社会のあり方を軽妙に論じた一冊。」(宣伝文より)
●福井健策 『著作権とは何か:文化と創造のゆくえ』
 集英社, 2005.5. 221p. ¥714(集英社新書)
「著作権を専門とする弁護士が、著作権の基礎や考え方を、シェイクスピア、デュシャン、手塚治虫など豊富な実例を挙げつつ解説し、著作権と文化の関わりを探る。」(宣伝文より)

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2.8 ケータイ・ケータイ小説

●藤川大祐 『ケータイ世界の子どもたち』
  講談社, 2008.5. 217p. ¥720+税(講談社現代新書)
●岡田朋之・松田美佐編 『ケータイ学入門:メディア・コミュニケーションから読み解く現代社会』
 有斐閣, 2002.4. 257p. ¥1800(有斐閣選書)
●柳田邦男 『壊れる日本人:ケータイ・ネット依存症への告別』
 新潮社, 2005.4. 221p. ¥1470
「携帯電話やパソコン、カーナビなどは人と人、人と街や自然との本質的なコミュニケーションを阻害する。携帯・ネット文化の浸透で子供や若者の言語表現力は低下し、自己中心型の人格が形成されるようになっている。」(宣伝文より)
●小此木啓吾 『「ケータイ・ネット人間」の精神分析』
 朝日新聞社, 2005.1. 332p. ¥714(朝日文庫)
「携帯電話を使ったネットワークという新しいメディアの登場で、濃密な情報のやりとりが可能になった。だが、引きこもりなど、様々な心の問題も増大している。IT革命がもたらす心の変化を、精神分析学の第一人者・小此木啓吾氏が解き明かす。」(宣伝文より)
●NTTアド編 『ネット&ケータイ人類白書:「多感階級」の誕生』
 NTT出版, 2000.12. 249p. ¥1600
●速水健朗 『ケータイ小説的。:“再ヤンキー化”時代の少女たち』
 原書房, 2008.6. 223p. ¥1500
ケータイ小説のブームを社会学者が分析。おもしろい。
●杉浦由美子 『ケータイ小説のリアル』
 中央公論新社, 2008.7. 221p. ¥777(中公新書ラクレ)
●本多 透 『なぜケータイ小説は売れるのか』
 ソフトバンククリエイティブ, 2008.2. 240p. ¥735(ソフトバンク新書)
●吉田悟美一 『ケータイ小説がウケる理由』
 毎日コミュニケーションズ, 2008.2. 224p. ¥819(マイコミ新書)
●石原千秋 『ケータイ小説は文学か』
 筑摩書房, 2008.6. 127p. ¥714(ちくまプリマー新書)

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2.9 その他

●森田浩之 『メディアスポーツ解体:〈見えない権力〉をあぶり出す』
 日本放送出版協会, 2009.12. 233p. ¥970(NHKブックス)
マスメディアとスポーツの関係をていねいに解説しています。
●谷口雅子 『スポーツする身体とジェンダー』
 青弓社, 2007.10. 204p. ¥1600+税(青弓社ライブラリー)
男女が別々に競技する現代スポーツでは、「男女別競技の撤廃」対「男女の身体能力差は考慮すべき」という対立がある。その前提である男女別競技が日常化する歴史的過程をスポーツの近・現代受容史から探り、優劣にとらわれないジェンダーの可能性を照らす。(宣伝文より)
●川端幹人 『タブーの正体!:マスコミが「あのこと」に触れない理由』
 筑摩書房, 2012.1. 268p. ¥840(ちくま新書)
マスメディアの自主規制によりタブー化している領域について、皇室、警察、宗教団体から、大企業、広告代理店、芸能プロダクション、ユダヤ系団体まで、ジャーナリストとしての実体験にもとづいて暴露しています。
●安田浩一 『ネットと愛国:在特会の「闇」を追いかけて』
 講談社, 2012.4. 366p. ¥1700
ジャーナリストである著者が“ネット右翼”、“行動する保守”などと言われる市民団体「在日特権を許さない市民の会」を取材したルポルタージュ作品です。
●佐藤卓己 『八月十五日の神話:終戦記念日のメディア学』
 筑摩書房, 2005.7. 278p. ¥820(ちくま新書)
(宣伝文より)「1945年8月15日、それは本当に「終戦」だったのか? 「玉音写真」、新聞の終戦報道、お盆のラジオ放送、歴史教科書の終戦記述などのメディアの検証を通じて「終戦」の記憶がいかにして創られていったかを明らかにする。」
●吉田 文和 『IT汚染』
 岩波書店, 2001.7. 204p. ¥740(岩波新書)
●西垣 通 『インターネットで日本語はどうなるか』
 岩波書店, 2001.3. 250p. ¥2000
第1部 日本人にとって英語とは何か(英語教育と英語公用語化論 「ネーティブ・スピーカー」と英語公用語化論) /第2部 日本語はどうなるか(インターネット多言語情報処理環境 ナショナリズム対グローバリズムを超えて) /第3部 コンピュータの可能性と課題(翻訳とコンピュータ インターネット上の多言語共同体の現実問題―L/Pプロジェクトの経験から)
●木村 忠正 『デジタルデバイドとは何か:コンセンサス・コミュニティをめざして』
 岩波書店, 2001.1. 270p. ¥2000
●土佐昌樹 『インターネットと宗教:カルト・原理主義・サイバー宗教の現在』
 岩波書店, 1998.11. 250p. ¥1700(叢書・インターネット社会)
●クリフォード・ストール(倉骨彰訳) 『インターネットはからっぽの洞窟』
 草思社, 1997.1. 405p. ¥2200
インターネットが普及する初期に書かれた古典的な批判書。

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3. アート/エンターテインメント系メディアを考えるための本

*このカテゴリは、いくらでもリストすることができます。以下、少しだけリストしましたが、興味ある分野を自分で探してみましょう。

3.1 音楽

●南田勝也 『ロックミュージックの社会学』
 青弓社, 2001.8. 212p. ¥1600+税(青弓社ライブラリー)
誕生から35年をへて錯綜するロック・イメージを、アウトサイド、アート、エンターテインメントの3つの指標で解析。そこに仮託された超越・反抗・逸脱の感覚の社会的構造を検証し、ある種のコンプレックスを背負って展開してきた日本のロック受容史をたどる。(宣伝文より)
●宮入恭平 『ライブハウス文化論』
 青弓社, 2008.5. 222p. ¥1600+税(青弓社ライブラリー)
夢を追う若者たちから団塊世代までが集うライブハウス。ロック喫茶・ジャズ喫茶に出自をもち、1960年代にはカウンター・カルチャーを支える一方で、80年代に高度に商業化していく歴史を追い、カラオケなどとも比較して「生演奏の空間」の魅力とゆくえに迫る。(宣伝文より)
●粟屋佳司 『音楽空間の社会学』
 青弓社, 2008.7. 212p. ¥2000+税
私たちユーザーは音楽をどのように聴き、生活のなかでいかに使っているのか。ラジオやインターネットなどのメディアによって立ち上がる社会空間と音楽の関係をカルチュラル・スタディーズの知見と多様な事例から読み解き、「音楽空間」の内実に迫る文化論。(宣伝文より)
●津田大介・牧村憲一 『未来型サバイバル音楽論:USTREAM、twitterは何を変えたのか』
 中央公論新社, 2010.11. 253p. ¥840+税(中公新書ラクレ)
「CDが売れない音楽業界、ライブ・フェスの盛況、双方向のコミュニケーションで生まれる音楽など、多岐にわたり徹底討論。アーティストが自由に発信できる時代の、音楽のあり方とは?全てのジャンルが溶解しつつある今だからこそ問われるべき「未来型レーベル」の構想。」(宣伝文より)
●烏賀陽弘道 『Jポップとは何か:巨大化する音楽産業』
 岩波書店, 2005.4. 235p. ¥780+税(岩波新書)
1990年代のJポップの急成長とその後の低迷について解説。
●烏賀陽弘道 『Jポップの心象風景』
 文藝春秋, 2005.3. 243p. ¥720+税(文春新書)
浜崎あゆみ、GLAY、B'z、桑田佳祐などの歌詞を分析。「なぜJポップは、これほどまでに日本人の心をとらえてやまないのか―Jポップを代表する八組のアーティストをとりあげ、その人気のありかたや歌詞に通底する文化的原型を、心理学、民俗学、神話学などの手法で分析、彼らに魅せられてしまう日本人の集合的無意識をも明らかにする画期的評論。」(宣伝文より)
●佐藤良明 『J-POP進化論:「ヨサホイ節」から「Automatic」へ』
 平凡社, 1999.5. 218p. ¥690+税(平凡社新書)
「J-POPのJとは何か? この100年に起こった日本の流行歌の変貌を分析し、日本人の心の変容に迫る。カルチュラル・スタディーズの冒険が切り拓く新しい日本文化論の地平。」(宣伝文より)
●小川博司 『音楽する社会』
 勁草書房, 1988.11. 202+xiiip.(=430point) ¥2500+税
ポピュラー音楽を社会学的に考察。
●見田宗介 『近代日本の心情の歴史:流行歌の社会心理史』
 講談社, 1978.4. 215p. ¥819(講談社学術文庫)
社会学的な歌詞分析の古典的名著。明治元年〜昭和38年の流行歌、451曲の歌詞のモチーフをていねいに分析している。単行本による最初の刊行は1968年で、すでに半世紀前。

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3.2 映像・舞台

*少しだけしかリストしていません。たくさんありますので自分で探して下さい。例えば次のサイトが参考になります。新書判がねらい目です。

●井上篤夫 『ポリティカル・セックスアピール:米大統領とハリウッド』
 新潮社, 2008.7. 191p. ¥680+税(新潮新書)
ハリウッド映画界がアメリカの政治(とりわけ大統領)にどれほど大きな影響力を行使してきたか、しているかを解説。
●芦刈いづみ・飯富崇生 『時計じかけのハリウッド映画:脚本に隠された黄金法則を探る』
 角川書店, 2008.2. 175p. ¥760+税(角川SSC新書)
ハリウッド映画の脚本術を解説。ヒット映画の基本的なフォーマットがわかる。
●加藤幹郎 『映画館と観客の文化史』
 中央公論新社, 2006.7. 302p. ¥860+税(中公新書)
“映画の作品ではなく、それを観る場(映画館)と人(観客)に着目することにより、映画の歴史を社会史・文化史として扱うことを可能にしている。米・日の今日とはずいぶんと違った映画鑑賞の変遷を知ることができる。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2009年度)】
●扇田昭彦 『日本の現代演劇』
 岩波書店, 1995.1. 246+5p. ¥620+税(岩波新書)
1960年代から1990年代半ばまでの小劇場演劇の革新的な活動を解説。
●風間 研 『小劇場の風景』
 中央公論新社, 1992.8. 218p. ¥640+税(中公新書)
●井上一馬 『ブロードウェイ・ミュージカル』
 文藝春秋, 1999.5. 238p. ¥720+税(文春新書)

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3.3 マンガ・コミック文化

●小山昌宏・須川亜紀子編著 『アニメ研究入門〔増補改訂版〕:アニメを究める9つのツボ』
 現代書館, 2014.9. 272p. ¥2300+税
メディア芸術として海外戦略も行われる日本の“アニメ”。そのアニメを学術的に研究する道筋をつけるため、映像・音声・歴史・流通・視聴者・ジェンダーなど様々な視点から読み解く方法を指南する。批評と研究、海外アニメを論じた補章を追加。(宣伝文より)
●伊藤 剛 『テヅカ・イズ・デッド:ひらかれたマンガ表現論へ』
 星海社, 2014.9. 384?p. ¥1015?(星海社新書)
「テヅカ・イズ・デッド」は手塚治虫の死後、なぜ「マンガはつまらなくなった」という言説がひとり歩きしたのかを考え、これからのマンガ表現の可能性を「キャラとリアリティ」の観点から探る1冊。2005年9月にNTT出版より刊行された単行本の内容に加え、新書独自のあとがきも追加されている。(宣伝文より)
●斎藤美奈子 『紅一点論:アニメ・特撮・伝記のヒロイン像』
 講談社, 2001.9. 328p. ¥780+税(ちくま文庫)
男の子の見るものは軍事と科学の世界、女の子の見るものは恋愛と魔法の世界ということを、分かりやすく説明。最近のプリキュアや戦隊物にも応用可能な視点を与えてくれる。「「ナイチンゲール」は『ナウシカ』である、「キュリー夫人」は『セーラームーン』である、「ヘレン・ケラー」は『もののけ姫』である。」(宣伝文より)
●宮原浩二郎・荻野昌弘編 『マンガの社会学』 
 世界思想社, 2001.11. 284p. ¥1900
部分読み可。「第1章 知的触媒としてのマンガ/ 第2章 マンガとマンガ批評―理論と作品の関係の解体に向けて/ 第3章 分身―少女マンガの中の「もう一人の私」/ 第4章 マンガを社会学する/ 第5章 誰のためのマンガ社会学―マンガ読者論再考/ 第6章 「少女」という読者/ 第7章 マンガのリミット―小林よしのり=『ゴーマニズム宣言』をめぐって」(目次より)
●大塚英志,サカキバラ・ゴウ 『教養としての〈まんが・アニメ〉』
 講談社, 2001.5. 265p. ¥720+税(講談社現代新書)
「手塚治虫、梶原一騎、宮崎・高畑から、ガイナックス、岡崎京子まで/作家たちは、なにと戦ってきたか/飛雄馬がアトムから引き継いだものは?アニメ版トリトン最終回の衝撃とは?/主人公の内面をどう描くか。メディアミックスの先駆者はだれか。戦後の古典、名作をたどり、作家たちの手法を読み解く決定版。」(宣伝文より)
●長岡義幸 『マンガはなぜ規制されるのか:「有害」をめぐる半世紀の攻防』
 平凡社, 2010.11. 262p. ¥780+税 (平凡社新書)
「東京都の青少年条例、児童ポルノ禁止法など、マンガについての規制が強化されつつある。日本独自の表現であり文化であるマンガは、なぜ国や自治体に縛られなければならないのか?規制の仕組み、バッシングの歴史などをわかりやすく記述し、「非実在青少年」問題の深層を解明する。」(宣伝文より)
●藤本由香里 『私の居場所はどこにあるの?:少女マンガが映す心のかたち 』
 朝日新聞社, 2008.6. 461p. ¥945(朝日文庫)
「少女マンガ評論の新境地を拓いた名著、待望の文庫化。1960年代末から90年代末頃までの少女マンガの描写から、女性の恋愛観、セクシュアリティ、家族観、職業観の変化を概観、同時にトランスジェンダーなど性的指向に関する描写の変遷も追う。“居場所”を求めるすべての人必読の書。」(宣伝文より)
●米沢嘉博 『戦後エロマンガ史』
 青林工藝舎, 2010.4. 320p. ¥1890
●米沢嘉博 『戦後ギャグマンガ史』
 筑摩書房, 2009.8. 339p. ¥1050(ちくま文庫)
●米沢嘉博 『戦後SFマンガ史』
 筑摩書房, 2008.8. 393p. ¥945(ちくま文庫)
●米沢嘉博 『戦後少女マンガ史』
 筑摩書房, 2007.8. 393p. ¥924(ちくま文庫)

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3.4 サブカルチャー・オタク文化

●前島賢 『セカイ系とは何か:ポスト・エヴァのオタク史』
 ソフトバンク・クリエイティブ, 2010.2. 262p. ¥760+税(ソフトバンク新書)
「セカイ系とは、『新世紀エヴァンゲリオン』以後を指し示す言葉に他ならない。アニメ、ゲーム、ライトノベル、批評などなど――日本のサブカルチャーを中心に大きな影響を与えたキーワード「セカイ系」を読み解き、ポスト『エヴァ』の時代=ゼロ年代のオタク史を論じる一冊。」(宣伝文より)“自意識”をキーワードとして『最終兵器彼女』から『涼宮ハルヒの憂鬱』まで広く社会学的に分析している。
●斎藤環 『関係する女 所有する男』
 講談社, 2009.9. 254p. ¥740+税(講談社現代新書)
著者はラカン派の精神分析医。男女の意識、思考、行為の差異を「関係」、「所有」という2つの原理からみごとに説明。おたく文化、腐女子文化を例にあげて解説している。初学者には読みづらいかもしれないが、最後まで読み通すこと。
●斎藤環 『戦闘美少女の精神分析』
 筑摩書房, 2006.5. 366p. ¥840(ちくま文庫)
「ナウシカ、セーラームーン、綾波レイ…。日本の漫画、アニメ空間には「戦う少女」のイメージが溢れている。「トラウマ」をもたない可憐で無垢な戦闘美少女の特性と、「おたく」の心的機制を、セクシュアリティの視覚から分析。」(宣伝文より)
●杉浦由美子 『腐女子化する世界:東池袋のオタク女子たち』
 中央公論新社, 2006.10. 205p. ¥720+税(中公新書)
現代日本における腐女子文化を解説。腐女子化を「格差社会の現実からの逃避」あるいは「ライフスタイルを選択できない時代の知恵」ではないかと論じている。
●本田透 『電波男』
 講談社, 2008.6. 405p. ¥900税込(講談社文庫)
オタク文化、オタク産業の擁護論。扇情的、軽薄な文体で学問的な説得力はないが、 情報化社会を考えるための題材は豊富。単行書は2005年3月。 第1章「恋愛資本主義」の構造と現実/第2章 合言葉は「萌え」〜オタクの「脳内恋愛」宣言/ 第3章「萌え」の力/第4章「萌えオタク」こそ、これからの勝ち組(目次より)
●宮台真司・石原英樹・大塚明子 『増補 サブカルチャー神話解体:少女・音楽・マンガ・性の変容と現在』
 筑摩書房, 2007.2. 553p. ¥1260(ちくま文庫)
サブカルを論ずるための基本文献。おもに1980年代までを論じている。「少女カルチャーや音楽、マンガ、AVなど各種メディアの歴史をたどり、それがどういう若者に受容されたかを分析することで、こうした不透明な状況が生じるまでを明らかにする。社会の大掛かりな変容を描き出した歴史的論考。」(宣伝文より)

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3.5 お笑い

●荻上チキ 『社会的な身体:振る舞い・運動・お笑い・ゲーム』
 講談社, 2009.6. 209p. ¥777(講談社現代新書)
“お笑い番組、テレビゲーム、「ニコニコ動画」、映画『ウォーリー』など、興味深いたくさんの例を用いて、人々の振る舞いと社会のしくみがメディアによってどのように変わってゆくのかを論じている。読みやすい第3章、第4章から読むとよいかもしれない。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2010年度)】
●太田省一 『社会は笑う:ボケとツッコミの人間関係』
 青弓社, 2002.4. 214p. ¥1690+税(青弓社ライブラリー)
お笑いの社会学的な分析。「マンザイブーム以降のテレビ的笑いの変遷をたどり、条件反射のように笑いを発しながらも、同時に冷静に評価するという両面性をもったボケとツッコミの応酬状況を考察し、独白であると同時に会話でもある擬似的なコミュニケーションが成立する社会性をさぐる。」(宣伝文より)
●ラリー遠田 『M-1戦国史』
 メディアファクトリー, 2010.10. 205p. ¥777(メディアファクトリー新書)
お笑い評論家が第1回〜第9回を詳細に分析。
●ラサール石井 『笑いの現場:ひょうきん族前夜からM-1まで』
 角川書店, 2008.2. 205p. ¥760+税(角川SSC新書)
コント赤信号のメンバーである著者がお笑いの世界を解説。ビートたけし、明石家さんま、とんねるず、ダウンタウンなど。単行書(徳間書店, 1994)に加筆したもの。
●須田泰成監修 『笑論:ニッポンお笑い進化論』
 バジリコ株式会社, 2008.5. 283p. ¥1500+税

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3.6 その他〜ゲーム・アート・恋愛

●大野左紀子 『アーティスト症候群:アートと職人、クリエイターと芸能人』
 河出書房新社, 2011.7. 272p. ¥760(河出文庫)
(宣伝文より)なぜ人はアーティストになりたがるのか。…「誰かに認められたい」欲求によって“一億総アーティスト化”した現在、自己実現とプロの差異とは一体どこにあるのか。美術、芸能、美容…あらゆる業界で増殖する「アーティスト」への違和感を探る。
●井上明人 『ゲーミフィケーション:〈ゲーム〉がビジネスを変える』
 NHK出版, 2012.1. 256p. ¥1470税込
(宣伝文より)〈ソーシャル〉は社会を変えた。次は〈ゲーム〉がビジネスを変える番だ――。/ なぜソーシャルゲームはCMで大量に宣伝するほどに莫大な利益を生んでいるのだろうか?/ 〈ゲーム〉を読み解けば、今のビジネスが見えてくる。/ これからのキーワードである「ゲーミフィケーション」を知るための一冊。
●芦崎 治 『ネトゲ廃人』
 リーダーズノート, 2009.5. 224p. ¥1365税込
「ネットゲーマーにしか通じない気持ちがある。「ゲーム依存症」という一言では括れない、独自の世界がある。著者は、19人の「ネトゲ廃人」とともにインターネット・オンラインゲームの光と影を追う。」(宣伝文より)
●桝山 寛 『テレビゲーム文化論:インタラクティブ・メディアのゆくえ』
 講談社, 2001.10. 197+ivp. ¥660+税(講談社現代新書)
●志賀厚雄 『デジタル・メディア・ルネッサンス:バーチャル・ワールドとアートの潮流』
 丸善, 2000.11. 213p. ¥780 (丸善ライブラリー)
文化、芸術を生み出す土壌としてディジタル・メディアをとらえ、米国のミュージアムの動向を中心に、ITとアート、社会のかかわりを論じている。(T)
●北村文・阿部真大 『合コンの社会学』
 光文社, 2007.12. 192p. ¥700(光文社新書)
合コンを社会学的に考察。
●斎藤環・酒井順子 『「性愛」格差論:萌えとモテの間で』
 中央公論新社, 2006.5. 222p. ¥700(中公新書ラクレ)
精神分析医とエッセイストの対談。対談の記録なので読みやすい。
●谷本奈穂 『恋愛の社会学:「遊び」とロマンティック・ラブの変容』
 青弓社, 2008.4. 243p. ¥1600+税(青弓社ライブラリー)
「序章 恋愛の社会的物語―テーマと方法論/ 第1章 恋愛の死と再生―恋愛物語の転回/ 第2章 ロマンティック・ラブ―永遠を誓う真面目な恋愛/ 第3章 遊び―生の未決定性を快楽にする形式/ 第4章 魅力ある異性/ 第5章 アプローチ/ 第6章 別れの理由/ 終章 恋愛という遊び」(目次より)

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4. 社会学/情報学/メディア論を学ぶための入門書・専門書

*以下にリストしたものはごく一部です。たくさんありますので自分で探して下さい。

4.1 社会学

★岩本茂樹 『自分を知るための社会学入門』
 中央公論社, 2015.4. 230p. ¥1500+税
読みやすい文体で、とてもわかりやすい事例をあげながら、幅広く社会学の理論を取り上げている。多くの事例が著者の若いころの体験にもとづいており、興味深く読める。取り上げられている社会学者は、ヴェーバー、マートン、ミード、ゴッフマン、さらにレヴィ=ストロース、フーコーなど。
●浅野智彦編 『考える力が身につく社会学入門』
 中経出版, 2010.2. 271p. ¥1429+税
初学者向けのやさしい社会学入門。読みやすい文体で、しっかりと社会学の基本概念が説明されている。
●浅野智彦 『図解 社会学のことが面白いほどわかる本:本当のことがホントにわかる!』
 中経出版, 2002.5. 299p. ¥1400
初学者向けのやさしい社会学入門。『考える力が身につく社会学入門』(2010年)と一部内容が重複しているが、両方とも読むと理解が深まってよい。
●見田宗介 『社会学入門:人間と社会の未来』
 岩波書店, 2006.4. 215p. ¥819(岩波新書)
著者は元東大教授の社会学者。「“人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている”―転換の時代にあって、世界の果て、歴史の果てから「現代社会」の絶望の深さと希望の巨大さとを共に見晴るかす視界は、透徹した理論によって一気にきりひらかれる。初めて関心をもつ若い人にむけて、社会学の「魂」と理論の骨格を語る、基本テキスト。」(宣伝文より)
●見田宗介 『現代社会の理論:情報化・消費化社会の現在と未来』
 岩波書店, 1996.10. 188p. ¥631(岩波新書)
社会の「情報化」、「消費化」とは何かを、理論社会学の立場から論じ、情報化・消費化社会を資本主義システムの極限である「純粋資本主義」として描き出している。 統計的なデータは多少古いが、社会学を学ぶ学生全員が一度は読むべき名著。
●内田隆三 『社会学を学ぶ』
 筑摩書房, 2005.4. 237p. ¥720(ちくま新書)
著者は東大教授の社会学者。自らの思想遍歴を語りつつ、社会学の古典的理論を解説している。これも社会学を学ぶ学生全員が一度は読むべき名著。
●宮台真司 『14歳からの社会学:これからの社会を生きる君に』
 筑摩書房, 2013.1. 309p. ¥714(ちくま文庫)
“14歳からとあるが、中学生にはむずかしく、大学生にも薦めたい深さのある内容。自分と他人、愛と性、仕事と生きがい、死ぬことなどについて、メディアを学ぶために役に立つ、社会学的なものの見方、考え方に触れられる。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2009年度)】
●宮台真司・鈴木弘輝編 『21世紀の現実[リアリティ]:社会学の挑戦』
 ミネルヴァ書房, 2004.5. 264p. ¥1400
部分読み可。「第1部 「大人/若者/子ども」のゆるやかな境界(ポピュラー文化の危機―ジャニーズ・ファンは“遊べているのか”/ 友達母娘のなにがわるい?―「家族の中の若者」という視点/ 「ゆとり」に惑わされる生徒たち―社会システム理論からみる学校教育の現状/ 第2部 社会関係を通じて構築される「私」(「人」を愛するとはどのようなことなのか?―「愛」の社会的機能/ 思い出をつくる若者たち―現代的自己の記憶論的アプローチ/ 第3部 国家からの自由/国家が基礎づける自由(韓日マンガシステム比較―週刊マンガ雑誌と、作家たちの世代論/ その先のインターネット社会―アーキテクチャを支える思想へ/ 社会学からの全体性の脱落に抗して、いま何が必要なのか」(目次より)
●佐藤健二・吉見俊哉編 『文化の社会学』
 有斐閣, 2007.3. 268p. ¥1890(有斐閣アルマ)
第8章のみの部分読みでもよい。 「第1章 文化へのまなざし/第2章 意味の結び目をほどく/つなぎ直す /第3章 住居/第4章 ファッション/第5章 音楽/第6章 テレビCM /第7章 マンガ同人誌/第8章 ネット文化/第9章 風景」(目次より)
●吉見俊哉 『メディア時代の文化社会学』
 新曜社, 1994.12. 330p. ¥2800
序章、終章を含めて8章構成。「I章〜IV章」のように部分的に読んでもよい。
●吉見俊哉 『リアリティ・トランジット:情報消費社会の現在』
 紀伊國屋書店, 1996.2. 267p. ¥2136
12編の論文・論考が収録されている。「遊園地のユートピア」「ディズニーランド化する都市」「テレフォンのある風景」など部分的に読んでもよい。オウム事件にかかわる論考も収録。
●吉見俊哉ほか著 『メディア空間の変容と多文化社会』
 青弓社, 1999.12. 214p. ¥1600
講演記録をもとにした論文集。第2章「電子メディアの共同体」(大澤真幸著)のみの部分読でも価値あり。
●宮台真司・鈴木弘輝編 『21世紀の現実[リアリティ]:社会学の挑戦』
 新曜社, 2004.5. 264p. ¥2600
部分読みでもOK。「ポピュラー文化の危機/友達母娘のなにがわるい?/「ゆとり」に惑わされる生徒たち/「人」を愛するとはどのようなことなのか/思い出をつくる若者たち/韓日マンガシステム比較/その先のインターネット社会」(目次より)
●井上俊ほか編 『メディアと情報化の社会学』
 岩波書店, 1996.4. 256p. ¥2039(岩波講座 現代社会学)
11編の論文が収録されているので、ばらで読んでもよい。 メディア変容の地層、マス・メディアと生活世界、ネットワーク社会の行方の三部構成。
●ベネディクト・アンダーソン(白石さや・白石隆訳) 『定本・想像の共同体:ナショナリズムの起源』
 書籍工房早山, 2007.7. 396p.¥2100(社会科学の冒険 2-4)
社会学の古典となった名著。構造主義的マルクス主義の立場からナショナリズムの起源をていねいに解明している。新聞、小説、地図などのメディアの影響力が論じられている。読解のためには、高校の世界史程度の近現代史の知識は不可欠。
●正村俊之 『情報化と文化変容:講座・社会変動』
  ミネルヴァ書房, 2003.10. 331p. ¥3675
第1部 情報ネットワーク社会の構造(若者の情報行動と対人関係/ 電子ネットワークの展開と社会的エンパワーメントの可能性―電子ネットワークの展開と社会関係への一つの視点/ 情報化と権力―権力のテクノロジーと行為主体の再配備/ 情報と制度のドラマトゥルギー―プライバシー保護制度を焦点にして/ 機能分化とアイデンティティの行方―電子メディアによる身体の超越と復権) 第2部 文化の諸相(「絶対速度」の移動体験―情報化社会の映画をめぐって/ 文化の産業化/産業の文化化/ ディズニーランドとサイバー都市―現代都市の神話とイデオロギー/ グローバライゼーションと文化のエージェンシー―カルチュラル・スタディーズと表象の場を/から逆照射する)(目次より)

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4.2 情報学

●ジェイムズ・グリック著, 楡井浩一訳 『インフォメーション:情報技術の人類史』
 新潮社,2013.1. 532p. ¥3200
「トーキング・ドラムからコンピュータまで、「情報」を操るあらゆる試みを見つめ直し、世界の本質を問い直す―壮大なスケールで描かれた、まったく新しい文明史。」(宣伝文から) 英国王立協会ウィントン科学図書賞(2012年)、PEN/E・O・ウィルソン科学文芸賞(2012年)受賞。
●根本 彰 編 『図書館情報学基礎』
 東京大学出版,2013.5. 267p. ¥3200
海野が第1章「知識と図書館情報学」、第2章「メディアと知識資源」の執筆を担当。この部分だけ読んでもよい。
●西垣 通 『生命と機械をつなぐ知:基礎情報学入門』
 高陵社書店,2012.3. 213p. ¥1600
高校の情報化の教科書として書かれたものだが、大学生が読むのにちょうどよい難しさ。
●西垣 通 『続 基礎情報学:「生命的組織」のために』
 NTT出版,2008.12. 219p. ¥2500
「本書は情報学についての入門書でも概説書でもない。既存の情報科学や情報工学、メディア論、コミュニケーション論などとは異なる観点から、情報/メディア/コミュニケーションというものをラディカルにとらえ直すことが、本書のねらいである。」(「序に変えて」より)
●西垣 通 『基礎情報学:生命から社会へ』
 NTT出版,2004.2. 235p. ¥2500
「本書は情報学についての入門書でも概説書でもない。既存の情報科学や情報工学、メディア論、コミュニケーション論などとは異なる観点から、情報/メディア/コミュニケーションというものをラディカルにとらえ直すことが、本書のねらいである。」(「序に変えて」より)
●西垣 通 『情報学的転回:IT社会のゆくえ』
 春秋社,2005.12. 247p. ¥1890
語り下ろしなので話しが拡散しがちだが、入門書として読みやすい。
●西垣 通 『こころの情報学』
 筑摩書房,1999.6. 236p. ¥660(ちくま新書)
アフォーダンスやオートポイエーシスなど、新しい科学を援用して「こころ」とは何かに迫る。
●西垣 通 『デジタル・ナルシス:情報科学パイオニアたちの欲望』
 岩波書店,1997.1. 264p. ¥1000(同時代ライブラリー)
情報化社会の基底に横たわる問題点を指摘している。ノイマン、シャノン、ウィーナーなどの人物伝としてもとても面白い。
●公文俊平 『情報社会学序説:ラストモダンの時代を生きる』
  NTT出版, 2004.10. 359p. ¥2100
著者は社会システム論、情報・メディア・コミュニケーション研究の第一人者。
●公文俊平 『文明の進化と情報化:IT革命の世界史的意味』
  NTT出版, 2001.3. 256p. ¥2300
『情報文明論』の続編。「情報化」は近代文明の最終局面であり、「新」文明への第一歩であると論証する。
●公文俊平 『情報文明論』
  NTT出版, 1994.4. 503p. ¥5340
この本1冊で1000ポイントを超えます。
●正村俊之 『情報空間論』
 勁草書房,2000.3. 339(+18)p. ¥4800
●村田晴夫 『情報とシステムの哲学:現代批判の視点』
 文眞堂,1990.4. 227(+10)p. ¥3200
●海野敏, 影浦峡, 戸田愼一 『学術情報と図書館』
 雄山閣,1999.11. 243p. ¥????(講座 図書館の理論と実際 9)
学術情報(科学情報)の生産から流通までを、ネットワーク社会を視野におさめつつ丁寧に論じている。初学者のための入門書。
●ブライアン・ヴィッカリー他(津田良成、上田修一監訳) 『情報学の理論と実際』
 勁草書房,1995.11. 540p. ¥???? ¥8500

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4.3 メディア論

*ここでいう「メディア」はマスメディアではありません。肉声、手紙、電話、インターネットなどを含んだ情報メディア(コミュニケーションメディア)全般についての研究領域です。

●吉見俊哉 『メディア文化論:メディアを学ぶ人のための15話 改訂版』
 有斐閣, 2012.12, 285p. ¥1800円+税(有斐閣アルマ)
(目次より)第1話 メディアとは何か、、第2話 メディアの時代・メディアの理論、第3話 新聞学というメディアの知、第4話 マス・コミュニケーション理論の展開とその限界、第5話 メディア革命と知覚の近代、第6話 カルチュラル・スタディーズの介入、第7話 新聞と近代ジャーナリズム、第8話 電話が誕生したのはいつだったのか、第9話 誰が映画を誕生させたのか、第10話 ラジオ・マニアたちの社交圏、第11話 テレビが家にやって来た、第12話 ケータイが変える都市の風景、第13話 パソコンとネットワーク化する市民社会、第14話 グローバル・メディアとは何か、第15話 メディアを変革するための知
★橋元良明 『メディアと日本人:変わりゆく日常』
 岩波書店, 2011.3. 195+12p. ¥760+税(岩波新書)
「テレビ、ラジオ、新聞、インターネット、書籍・雑誌、携帯電話――。日本人によるメディア受容の歴史と利用実態、さらにはメディア界の構造転換を、実証的に明らかにする。「テレビ離れ」「読書離れ」は本当か? ケータイ、ネットが若者のメンタリティーに与えた影響は? 日米のメディア研究の動向も紹介した、メディア論の決定版!」(宣伝文より)
●有馬哲夫 『世界のしくみが見える「メディア論」:有馬哲夫教授の早大講義録』
 宝島社, 2007.10. 222p. ¥720(宝島社新書)
マクルーハン理論の入門書として、たいへん読みやすい。内容構成は次のとおり。1.メディア研究とは何か、2.コンテンツではなくメディアが決定する、3.メディアとコンテンツの相互作用、4.メディアが受け手のモードを転換する、5.グローバル・ヴィレッジ、6.電気メディアはどんな現代人を作り出したか、7.IT革命がもたらす内爆発、8.メディア・デバイド。
●宮澤淳一 『マクルーハンの光景 メディア論がみえる』
 みすず書房, 2008.2. 164p. ¥1600+税
「メディア論の「元祖」とされるマーシャル・マクルーハン。難解とされるそのテキストを取り上げ、読み解き方を解説。また、彼の生涯と主な著作を概観し、「地球村」の概念を再検討する。」(宣伝文より)
●大澤真幸 『電子メディア論:身体のメディア的変容』
 新曜社, 1995.6. 352p. ¥2900
かなり歯ごたえあり。社会学的、哲学的な基礎知識がないと読みこなすのがむずかしい部分もあるが、知的刺激に富んだ名著。
●フリードリヒ・キットラー(石光泰夫・石光輝子訳) 『グラモフォン・フィルム・タイプライター』
 筑摩書房, 2006.12. 331p.+365p. 上¥1365+下\1365(ちくま学芸文庫)
難解な名著。名付けるならばポスト構造主義的メディア論か。ラカンの精神分析とフーコーの哲学を出発点として、1900年前後のメディア史的な大転回をきわめて該博な知識で解き明かしてゆく。読解には文学史、音楽史、映画史、技術史の知識が要求される。
●ジョシュア・メイロウィッツ(安川一・高山啓子・上谷香陽訳) 『場所感の喪失(上):電子メディアが社会的行動に及ぼす影響』
 新曜社, 2003.8. 414p.
宣伝文より「電子メディアは現代人の行動をいかに変えたか? いまなお我々の感覚・思考・行動を激変させつつある電子メディア。その変容をゴフマンのエンカウンター理論、マクルーハンのメディア論と結びつけて鮮やかに分析する。」
●マーシャル・マクルーハン(栗原裕・河本仲聖訳) 『メディア論』
 みすず書房, 1987.6. 381p.
メディア論の先駆的著作。メディア論の古典中の古典。韜晦(とうかい)した文体で消化しにくいが、一読の価値あり。
●マーシャル・マクルーハン、クエンティン フィオーレ(南博訳) 『メディアはマッサージである』
 河出書房新社, 1995.11. 177p. ¥2136
●ポール レヴィンソン他(服部桂訳) 『デジタル・マクルーハン:情報の千年紀へ』
 NTT出版, 2000.3. 365p. ¥3600
●デヴィッド・ボルター(黒崎政男ほか訳) 『ライティングスペース:電子テキスト時代のエクリチュール』
 産業図書, 1994. 6. 452p. ¥6500
●服部桂 『メディアの予言者:マクルーハン再発見』
 廣済堂出版, 2001.5. 237p. ¥1000(廣済堂ライブラリー)
マーシャル・マクルーハンの著作をインターネットの現代社会から読み解く入門書(T)
●月尾嘉男等編 『原典メディア環境:1851-2000』
 東京大学出版会, 2001.4. 723p. ¥10000
現代のメディア環境はどのように形成されたのか。バベッジの「階差機関」からWebブラウザまで、メディアの技術、政策、制度、文化、産業、郵便、通信、放送にかかわる日本、欧米の論文、エッセイ、報告書、条約等の資料を年代順に150点収録している。部分読みが可能。

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4.4 その他

●古市憲寿 『絶望の国の幸福な若者たち』
  講談社, 2011.9. 301p. ¥1800
論壇で話題になった若手社会学者の著作。日本の先行きが暗いのに、若者の幸福度は最近40年間で一番高いのはなぜかを論じている。軽い文体で、学術書としては読みにくくないはず。

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5. ネットワーク社会・情報化社会を考えるための小説

*このカテゴリはいくらでもあると思いますが、あまりリストされていません。みなさんからの推薦をお待ちしています!

5.1 SF小説

●冲方 丁 『マルドゥック・スクランブル』全3巻
 早川書房, 2010.10. 293+324+316p. ¥700×3冊(ハヤカワ文庫)
第24回日本SF大賞を受賞したサイバーパンク。「賭博師シェルの奸計により少女娼婦バロットは爆炎にのまれた。 瀕死の彼女を救ったのは、委任事件担当官にして万能兵器のネズミ、ウフコックだった。…」(宣伝文より)
●ジョージ・オーウェル 『一九八四年 新訳版』
 早川書房, 2009. 512p. ¥860+税(ハヤカワepi文庫)
「“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。」(宣伝文より) 原著は1949年に刊行された古典中の古典。監視カメラもインターネットもなかった時代に、テクノロジーを駆使した監視社会、管理社会を予言した小説。
●グレッグ・イーガン 『ディアスポラ』
 早川書房, 2005. 520p. ¥900+税(ハヤカワ文庫)
「30世紀、人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶をソフトウェア化して、ポリスと呼ばれるコンピュータ内の仮想現実都市で暮らしていた。ごく少数の人間だけが、ソフトウェア化を拒み、肉体人として地球上で暮らしている。」(宣伝文より)
●グレッグ・イーガン 『順列都市』
 早川書房, 1999. 上282+下285p. ¥620+620+税(ハヤカワ文庫)
「記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として、世界を支配していた。」(宣伝文より)
●ダニエル・F・ガロイ 『模造世界』
 早川書房, 2000. 328p. ¥580+税(ハヤカワ文庫)
「電子的な仮想社会を創造し、そこに仮想人物たちを住まわせる、画期的な社会環境シミュレーターが計画された。だが、その完成を目前に開発者が死亡する。」(宣伝文より) 原著は1964年刊行。映画『13F』の原作。
●ロバート・J・ソウヤー 『ターミナル・エクスペリメント』
 早川書房, 1997. 471p. ¥920+税(ハヤカワ文庫)
「医学博士のホブスンは、死にかけた老女の脳波の測定中に、人間の「魂」とおぼしき小さな電気フィールドが脳から抜け出てゆくのを発見した。魂の正体を探りたいホブスンは自分の脳をスキャンし、自らの精神の複製を三通り、コンピュータの中に作りだした。」(宣伝文より)
●ジェフ・ライマン 『エア』
 早川書房, 2008.5. 475p. ¥2400+税
「個々人の脳から直接ネットにアクセスするネットワーク・システム「エア」。そのテスト中に事故死した隣人、タンおばあさんと交感し、彼女の全人生を体験したメイ。それ以降、おばあさんの意識がメイの中に住みついてしまい…。」(宣伝文より)
●西垣通 『サイバーペット/ウェブ生命情報論』
 千倉書房,2008.3. ???. ¥2940
半分が小説、半分が学術書という変わった編集の本。小説「サイバーペット」だけ読んでもよい。
●瀬名秀明 『エヴリブレス』
 TOKYO FM出版, 2008.3. 313p. ¥1600+税
「仮想と現実の境界が曖昧になった未来、人間の「想い」はどこにいくのか? もうひとつの世界で、永遠に終わらない恋が始まった。ピュアでリアルな、サイエンス・ラヴ・ストーリー。」(宣伝文より)
●服部真澄 『エクサバイト』
 角川書店, 2008.2. 381p.(=191point) ¥1785(ハヤカワ文庫JA)
生まれてから死ぬまでの一生分の体験をデータとして記録してしまうという話だが、 すでに技術的には十分に実現可能である。このフィクションの想像力から得るものは少なくない。
●七瀬晶 『Project SEVEN』
 アルファポリス, 2007.10. 363p. ¥620税込(アルファポリス文庫)
単行本は2005年刊行。「仕掛けられた世界同時サイバーテロ。それは資本主義の終焉か?そう遠くない未来。ネット上にはWW VS(World Wide Virtual Space)なるリアルな仮想空間が提供され、グローバルIDと呼ばれるネット上の名前が「認証局」により付与されている。高校生の望月奈々は自分の仮想部屋に何者かが侵入した痕跡を発見した。…ネットワークを疾走するハッカー達!近未来サイバーSF冒険活劇。」(宣伝文より)
●林 譲治 『記憶汚染』
 早川書房, 2003.10. 392p. ¥756(ハヤカワ文庫JA)
「破滅的な原発テロの教訓から、携帯情報端末による厳格な個人認証が課された近未来日本社会。」(宣伝文より)
●井上夢人 『パワー・オフ』
 集英社, 1999.7. 601p. ¥800(集英社文庫)
コンピュータウイルスと人工生命をテーマとしたSF。まだインターネットが普及する前に、パソコン通信を舞台にして書かれたものだが、十分に「今」を感じさせる。ウイルスがどんどん進化してゆく様子が興味深い。2003.7.19(U)
●柾悟郎 『ヴィーナス・シティ』
 早川書房, 1992.11. 364p. ¥563(ハヤカワ文庫)
日本でインターネットが普及する数年前に、ネットワーク上のヴァーチャルリアリティの世界を描いている。
●岡嶋二人 『クラインの壷』
 新潮社, 1993.1. 412p. ¥590(新潮文庫)
ヴァーチャルリアリティを応用したコンピュータゲームをめぐるSFミステリ。仮想現実が現実を侵食する様子が見事。
●筒井康隆 『朝のガスパール』
 新潮社, 1995.7. 331p. ¥552(新潮文庫)
パソコン通信の書き込みをインタラクティヴに利用して連載執筆された、おそらく最初の小説。
●ウィリアム・ギブソン(黒丸尚訳) 『ニューロマンサー』
 早川書房,1986.7. 451p.(=226point) ¥1008(ハヤカワ文庫SF)
サイバーパンク・ブームのきっかけとなった作品。ハードSFなので、SF小説を読み馴れていない人には読みにくいかも。
●ウィリアム・ギブソン(黒丸尚訳) 『カウント・ゼロ』
 早川書房,1987.9. 465p. ¥660(ハヤカワ文庫)
『ニューロマンサー』の続編。
●ウィリアム・ギブソン(浅倉久志ほか訳) 『クローム襲撃』
 早川書房,1987.5. 334p. ¥544(ハヤカワ文庫)
●ブルース・スターリング(小川隆訳) 『ネットの中の島々』上・下
 早川書房, 1990.11. 337+362p. ¥544+¥544(ハヤカワ文庫)
●ニール・スティーブンソン(日暮雅通訳) 『スノウ・クラッシュ』上・下
 早川書房, 2001.4. 389+395p. ¥740+¥740(ハヤカワ文庫)
ポスト・サイバーパンクと評された1990年代のハードSF。「メタヴァース」と呼ばれる仮想世界と、近未来の現実世界との両方で、暴力的かつスピーディーなアクションドラマが展開する。2003.8.28(U)
●ジョージ・オーウェル(高橋和久訳) 『一九八四年[新訳版]』
 早川書房, 2009.7. 512p.(=256point) \903(ハヤカワepi文庫)
社会学、情報学、メディア論で頻繁に参照される必読書。ディストピアを描いた古典的SF。原書は1949年に刊行された。「〈ビッグ・ブラザー〉率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。しかし彼は、以前より完璧な屈従を強いる体制に不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと出会ったことを契機に……。」(宣伝文より)

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5.2 その他

●山崎豊子 『運命の人(全4巻)』
 文藝春秋, 2010.12. 288+288+299+320p. ¥650+650+670+670(文春文庫)
“小説の記述から、戦後ジャーナリズム文化の一端をのぞきつつ、スクープ、特オチを考えるジャーナリストの心理、取材源との関係を考えてみましょう。また、山崎豊子は映画化・ドラマ化されることが多い作家ですが、元記者の「フィクション・ドキュメンタリー」という手法とその意義を考えつつ、ドラマ・映画と原作との関係を考えてください。ジャーナリズムとエンターテイメントというメディア・コミュニケーションの両面について考えてみてください。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2010年度)】
●楡周平 『クラッシュ』
 角川書店, 2009.1. 715p. ¥895+税(角川文庫)
コンピュータウイルスが世界を混乱に陥れるミステリ。犯人が最初から分かっている「倒叙」スタイル。航空機の操縦や、産業界にパニックが広がる過程の描写がたいへん緻密。単行本は、日本でインターネットが普及し始めて数年経った1998年の刊行。
●伊坂幸太郎 『モダンタイムス』
 講談社, 2008.10. 540p. ¥1700+税
人気作家がインターネットのサーチエンジンをモチーフにして書いた長編ミステリ。キャッチコピーが「検索から始まる監視」。物語は、「システムとしての国家」の話しへと広がってゆく。
●雫井脩介 『犯人に告ぐ(上・下)』
 双葉社, 2007.9. 326+344p. 上・¥600+税、下・¥619+税(双葉文庫)
“連続殺人事件を追う刑事が、テレビを通じて犯人に呼びかけるという前代未聞の「劇場型」捜査に取り組むというミステリー小説です。つい最近、映画化もされました。現代社会におけるマス・メディアの影響力について深く考えさせられます。とくにテレビ業界志望の学生におすすめです。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2008年度)】
●七瀬晶 『WEB探偵昴』
 アルファポリス, 2007.4. 363p. ¥1100+税
ミステリーとしてさほど本格的ではないが、ネットワークを駆使した調査方法が面白い。「凄腕のハッキング技術を持つ美人ネット探偵、早川昴の活躍を描くITミステリー。「炎上」「スパムの恋人」「魔女狩り」の3篇を収録。」(宣伝文より)
●岡部 敬史 『Web2.0殺人事件』
 イースト・プレス, 2006.11. 363p. ¥1190+税
「アナログ人間には、とっつきにくいイメージの「Web2.0」。その世界を、少年探偵が難事件に立ち向かうミステリの形で解説。」(宣伝文より)
●横山秀夫 『クライマーズ・ハイ』
 文藝春秋, 2006.6. 471p. ¥629+税(文春文庫)
“1985年に起こった日航機墜落事故を題材に、地元新聞社に勤める記者の奮闘ぶりを描いたフィクションです。ドラマ化もされました。小説として読み応えがあるだけでなく、ジャーナリストが直面する葛藤や苦悩を緊張感たっぷりに描いています。ジャーナリスト志望の学生は必読です。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2007年度)】
●村上龍 『希望の国のエクソダス』
 文藝春秋, 2002.5. 452p. ¥1500(文春文庫)
一斉に不登校を始めた日本の中学生たちがネットビジネスを展開し、世界経済に影響を与える物語。単行本は2000年刊行。
●石田衣良 『うつくしい子ども』
 文藝春秋, 2001.12. 285p. ¥530(文春文庫)
“中学1年生の少年が9歳の女児を猟奇的に殺害した。この事件をめぐり、少年の兄と新聞記者の2人の観点から物語は進行します。マスコミ志望の皆さんは、もちろん、記者の立場でこの小説を読んで下さい。人権への配慮か? 報道の使命か? 迷いながら事件の取材にあたります。自分の将来が見えてくるかもしれません。” 【メディアコミュニケーション学科の推薦図書リスト(2009年度)】
●綿矢りさ 『インストール』
 河出書房新社, 2001.11. 120p. ¥1000
女子高生と男子小学生がアダルトサイトのチャット嬢を請け負う中編小説。 現役女子高生が書いて、史上最年少で「文藝賞」を受賞して話題になった。
●宮部みゆき 『R.P.G.』
 集英社, 2001.8. 306p. ¥660(集英社文庫)
ネット上の擬似家族を題材にした軽いミステリ小説。ネットワークコミュニケーションの効用と問題を考える手がかりとなる。ちなみにミステリとしては犯人の予想はつけやすいが、やや意外な結末あり。
●村上龍 『共生虫』
 講談社, 2000.3. 293p. ¥1500
ハッカーとひきこもりがモチーフ。多少の残虐・暴力シーンあり。

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6. 読む本に迷ったときのお薦め

*2015年夏のお薦め
 何を読んでよいかわからない人のために、2015年夏のお薦めです。それぞれの解説は、上のリストで探してお読みください。 (昨年度以前のお薦めも参考にすること。)

★岩本茂樹 『自分を知るための社会学入門』
 中央公論社, 2015.4. 230p. ¥1500+税
★小林雅一 『AIの衝撃』
 講談社,2015.3. 247p. ¥800(講談社現代新書)
★東 浩紀 『弱いつながり:検索ワードを探す旅』
 幻冬舎, 2014.7. 164p. ¥1300
★佐々木俊尚『レイヤー化する世界:テクノロジーとの共犯関係が始まる』
 NHK出版,2013.6. 278p. ¥720+税 (NHK出版新書)
★公文俊平 『情報社会のいま:あたらしい智民たちへ』
 NTT出版, 2011.5. 216p. ¥2400
★日本図書館情報学会研究委員会編 『電子書籍と電子ジャーナル』
 勉誠出版,2014.11. 265p. ¥1800+税 (わかる!図書館情報学シリーズ)

*2013年夏のお薦めは以下の6冊でした。
 まだまだ読む価値があります。

★鈴木謙介 『ウェブ社会のゆくえ:〈多孔化〉した現実のなかで』
 日本放送出版協会, 2013.8. 251p. ¥1000(NHKブックス)
★佐々木俊尚『レイヤー化する世界:テクノロジーとの共犯関係が始まる』
 NHK出版,2013.6. 278p. ¥720+税 (NHK出版新書)
★木村忠正『デジタルネイティブの時代:なぜメールをせずに「つぶやく」のか』
 平凡社,2012.11. 255p. ¥800+税 (平凡社新書)
★西垣 通『集合知とは何か:ネット時代の「知」のゆくえ』
 中央公論新社,2013.2. 220p. ¥820+税 (中公新書)
★影浦 峡『信頼の条件:原発事故をめぐることば』
 岩波書店,2013.4. 98p. ¥1200+税 (岩波科学ライブラリー)
★上杉 隆『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』
 PHP研究所,2012.2. 199p. ¥720+税 (PHPビジネス新書)

*2012年夏のお薦めは以下の4冊でした。
 まだまだ読む価値があります。

★橋元良明 『メディアと日本人:変わりゆく日常』
 岩波書店, 2011.3. 195+12p. ¥760+税(岩波新書)
★津田大介 『情報の呼吸法』
 朝日出版社, 2012.1. 165p. ¥940
★大向一輝・池谷瑠絵 『ウェブらしさを考える本:つながり社会のゆくえ』
 丸善, 2012.3. 190p. ¥760
★東 浩紀 『一般意志2.0:ルソー、フロイト、グーグル』
 講談社, 2011.11. 262p. ¥1800

*2011年夏のお薦めは以下の6冊でした。
 まだまだ読む価値があります。

★橋元良明 『メディアと日本人:変わりゆく日常』
 岩波書店, 2011.3. 195+12p. ¥760+税(岩波新書)
★橋元良明・電通総研 『ネオ・デジタルネイティブの誕生:日本独自の進化を遂げるネット世代』
 ダイヤモンド社, 2010.3. 189p. ¥1500
★岡嶋裕史 『ポスト・モバイル:ITとヒトの未来図』<
 新潮社, 2010.7. 187p. ¥680 (新潮新書)
★石田英敬 『自分と未来のつくり方:情報産業社会を生きる』
 岩波書店, 2010.6. 194p. ¥780(岩波ジュニア新書)
★影浦 峡 『3.11後の放射能「安全」報道を読み解く:社会情報リテラシー実践講座』
 現代企画室,2011.7. 193p. ¥1050

*2009年夏のお薦めは以下の6冊でした。
 まだまだ読む価値があります。

★佐々木俊尚 『2011年新聞・テレビ消滅』
 文藝春秋,2009.7. 237p. ¥788(文春新書)
★荻上チキ 『ネットいじめ:ウェブ社会と終わりなき「キャラ戦争」』
 PHP研究所, 2008.7. 269p. ¥740+税(PHP新書)
★竹内一正 『グーグルが日本を破壊する』
 PHP研究所, 2008.4. 222p. ¥756(PHP新書)
★西垣 通 『ウェブ社会をどう生きるか』
 岩波書店, 2007.5. 182p. ¥700(岩波新書)
★濱野智史 『アーキテクチャの生態系:情報環境はいかに設計されてきた』
 NTT出版,2008.10. 351p. ¥1900

*2008年夏のお薦めは以下の6冊でした。
 初めの3冊は、合わせ読みをすると理解が深まります。

★竹内一正 『グーグルが日本を破壊する』
 PHP研究所, 2008.4. 222p. ¥756(PHP新書)
★ジャン=ノエル・ジャンヌネー(佐々木勉訳) 『Googleとの闘い:文化の多様性を守るために』
 岩波書店,2007.11. 166p. ¥1600
★佐々木俊尚 『ネット未来地図:ポスト・グーグル時代 20の論点』
 講談社, 2007.10, 224p. ¥767(講談社現代新書)
★荻上チキ 『ウェブ炎上:ネット群集の暴走と可能性』
 筑摩書房, 2007.10. 221p. ¥700(ちくま新書)
★境 真良 『テレビ進化論』
 講談社,2008.4. 221p. ¥756(講談社現代新書)
★西垣 通 『ウェブ社会をどう生きるか』
 岩波書店, 2007.5. 182p. ¥700(岩波新書)

*2007年夏のお薦めは以下の5冊の新書版シリーズでした。
 初めの4冊は、合わせ読みをすると理解が深まります。

★西垣 通 『ウェブ社会をどう生きるか』
 岩波書店, 2007.5. 182p. ¥700(岩波新書)
★西垣 通 『IT革命:ネット社会のゆくえ』
 岩波書店, 2001.5. 189p. ¥700(岩波新書)
★梅田望夫 『ウェブ進化論:本当の大変化はこれから始まる』
 筑摩書房,2006.2. 249p. ¥740(ちくま新書)
★梅田望夫・平野啓一郎 『ウェブ人間論』
 新潮社,2006.2. 203p. ¥680(新潮社新書)
★歌田明弘 『ネットはテレビをどう呑みこむのか?』
 アスキー,2007.6. 250p. ¥724(アスキー新書)

*メディアコミュニケーション学科「新入生のための推薦図書」

2013年度推薦図書 |☆2010年度推薦図書 |☆2009年度推薦図書 |☆2008年度推薦図書 |☆2007年度推薦図書
↑ メディアコミュニケーション学科では、毎年、 メディアコミュニケーション学の勉強を始めるにあたって読むことをお奨めする 本のリストを用意して、新入生に紹介しています。
実は、新入生でなくて、2年生以上にも読んでもらいたい本ばかりです。
推薦図書はメディアコミュニケーション学科の専任教員が1人1冊ずつ選んでいます。

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本の選び方・探し方

*情報化社会、ウェブ社会、情報サービスなどの主題領域は、技術的な進展、情勢の変化が激しいので、 刊行年の古いものは避けた方が無難です。 一方、社会学、情報学、メディアコミュニケーション学の理論的な著作、学術的な論文であれば 内容はすぐには古びませんし、古典的な名著は古くても読む価値があります。

*本の選び方・探し方はいくらでもありますが、いくつか例をあげます。

  1. 定評のある「出版社シリーズ」にターゲットを絞り、面白そうなものがないか探す。
    とりわけ新書判のシリーズ(「〜新書」)がお薦め
    例:「千頁読破」でお薦めの出版社シリーズ。
    • 岩波新書、岩波ジュニア新書、岩波現代文庫
    • ちくま新書、ちくまプリマー新書、ちくま学芸文庫
    • 講談社現代新書、講談社選書メチエ、講談社学術文庫
    • 文春新書
    • 平凡社新書
    • 中公新書、中公新書ラクレ
    • NHKブックス
    *参考:
    新書マップ
  2. 大規模な書店へ行き、書棚を時間をかけてじっくり探す(ブラウジング)。
    例:東京にある売場面積1000坪以上の規模の大書店 参考:神田神保町「本の街」
    白山から3つめの駅。
    三省堂、東京堂、書泉グランデ、書泉ブックマートが4大新刊書店。
    170を超える古書店が集まっている。

  3. オンライン書店の検索サービスでキーワード検索する。
    売れ行きランキングや読者レビューも参考にする。
    例:よく知られたオンライン書店 参考:オンライン書店比較サイト
  4. 大規模図書館のOPACや大規模な書誌データベースでキーワード検索する。
    例:代表的な大規模書誌データベース
  5. 身近な図書館へ行って、書棚を時間をかけて眺める(ブラウジング)。
    例:身近な図書館 参考:その他の図書館
  6. 新聞や雑誌の書評欄、ネットの書評サイトを定期的にチェックする。
    例:読売新聞・朝日新聞の書評欄は日曜日掲載

  7. 新聞や雑誌に掲載されている出版社の広告をチェックする。
    例:朝刊1面下の「三八つ」

  8. 友人・知人、家族、教師に紹介してもらう。

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