立教大学
2018年度 情報サービス演習1

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2019/1/11修正・追加しました。
2018/12/7, 14, 21, 26修正・追加しました。
2018/11/2, 16, 30情報を追加しました。
2018/10/5, 12, 26情報を追加、修正しました。
2018/9/24, 28情報を追加、修正しました。
2018/9/21新規公開しました。
目 次
授業の予定と記録
授業関連リンク集
基本用語の解説
情報要求の3タイプ
一般的な検索過程
データベースの種類と流通
ウェブ上の情報の信頼性判定基準
ネットワーク情報資源の特徴

授業の予定と記録

*池袋キャンパス、金曜1・2時限、8号館8501教室。

*次の表は、講義を行う前には予定を、行った後には記録を示します。

月 日 授業内容(予定+記録) 配布資料(予定+記録) 備 考
1 9月21日 授業オリエンテーション
  • 司書資格のためになぜ情報検索を学ぶのか?
  • 授業内容
  • 成績評価
  • 授業運営
  アンケート
課題1発表
即日提出
実習:書誌データ(小説・単行書を例として) 1枚→回収
2 9月28日 情報検索とは何か
  • 探索と検索
  • 情報要求の3つのタイプ
  • 6つの探索分野
1枚  
実習:図書情報の探索 1枚
3 10月5日 情報検索の手法
  • 一般的な検索過程
  • 検索インタフェースと検索式
  • 検索条件指定の5つの手法
    1. フィールド指定
    2. 論理演算
    3. 文字列照合
    4. 比較演算・範囲指定
    5. 近接演算
1枚  
実習:図書情報の探索(つづき)
実習:JDreamIIIの近接演算子/検索手法の比較
1枚
4 10月12日 特別講義:立教大学図書館OPACの使い方
  1. 立教大学図書館の所蔵状況
  2. 図書館契約データベース
  3. OPAC検索
  4. OPACで確認できる情報と機能の紹介
1枚
+ちらし2枚
図書館2階
講習会室1
実習:立教大学図書館OPAC  
5 10月19日 データベース 1枚  
実習:逐次刊行物情報の探索 1枚
6 10月26日 検索語と索引語
  • 検索語の選択
    1. もれとノイズ
    2. もれとノイズの最小化
    3. 語彙統制
1枚 課題2発表
実習:逐次刊行物情報の探索(つづき) 1枚
  11月2日 ( 全 日 休 講 )
  11月9日 ( 臨 時 休 講 )
7 11月16日 検索語と索引語(つづき)
  • 主題索引語
    1. 索引とは
    2. 件名標目表
    3. シソーラス
    4. 主題索引語の比較
3枚 課題2提出
実習:シソーラスの利用
実習:逐次刊行物情報の探索(つづき)
1枚
  11月23日 ( 全 日 休 講 )
8 11月30日 文献検索サービス
  • 文献検索のタイプ
  • 代表的なサービス
    1. 日本の無料オンラインサービス
    2. 日本の有料オンラインサービス
    3. 海外のオンラインサービス
1枚 課題3発表
実習:言語・文字/事物・事象情報の探索  
9 12月7日 インターネット検索
  • WWWのしくみ
  • サーチエンジン
    1. 自動インデクシング
    2. ランキング出力
    3. 広告とパーソナライゼーション
1枚
実習:事物・事象情報の探索 1枚
10 12月14日 インターネット検索(つづき)
  • ウェブ情報の信頼性の判定
    1. 問題点
    2. 判定基準
  • 情報源としてのウィキペディア
  • 無料オンラインサービス
    1. 文献検索(補足)
    2. 事実検索
1枚 課題3提出
実習:歴史・日時/地理・地名情報の探索 1枚
11 12月21日 情報検索の評価
  • 評価の観点
    1. 検索結果の個別情報の評価
    2. 検索結果の集合の評価
    3. 検索過程の評価
  • 精度と再現率
    1. 検索結果の構造
    2. 精度と再現率の算出法
    3. 精度と再現率の関係
1枚 課題4発表
実習:再現率と精度の計算
実習:歴史・日時/地理・地名情報の探索
?枚
  1月4日 ( 冬季休業期間 )
12 1月11日 情報検索の現在と未来
  • 新しいアクセスポイント
    1. 感性語
    2. 画像・音声
    3. 情報視覚化
  • 情報探索空間としてのインターネット
    1. インデクシングとリトリーバル
    2. ネットワーク情報資源の探索
    3. スクリーニングとブラウジング
  • 情報検索研究の最新動向
    1. インデクシングの研究
    2. スクリーニングの研究
    3. ブラウジングの研究
1枚 課題4提出
検索問題:誰?
実習:人物・団体/視聴覚情報・非テキスト情報の探索 ?枚
13 1月18日
  • 検索実習問題の解説
  • 小テスト5040分
     (持込不可
  • 小テストの解説
なし  

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授業関連リンク集

*授業の進行にしたがって掲載を追加していきます。
A.基本的なオンライン検索システム/サービス
A-1.図書の探索
国立国会図書館(NDL) トップページNDL-Bib(詳細検索を使うこと) |NDL-Search(国立国会図書館サーチ;詳細検索を使うこと)
参考:リサーチ・ナビレファレンス協同データベース国立国会図書館分類表
国立情報学研究所(NII) トップページCiNii Books(サイニィブックス) |WebCat Plus(一致検索>詳細条件を使うこと)
参考:目録所在情報サービスNACSIS-CAT統計
日外アソシエーツ トップページオンライン情報サービス総合案内NICHIGAI/WEB Service
Google (グーグル) 関連 日本版トップページ検索オプション |サービス一覧:日本版米国版
Google Books:日本語版英語版
参考:GoogleニュースGoogleイメージGoogleマップ
オンライン書店 honto(ホント):トップページ詳細検索
Amazon(アマゾン):日本版米国版
紀伊國屋BookWeb
その他の国内サービス カーリルディープライブラリー(専門図書館協議会) |Books.or.jp(日本書籍出版協会)
日本の古本屋
日本の大学図書館,公共図書館とのリンク+OPAC(作成:上田修一先生)
A-2.雑誌・新聞の探索
国立国会図書館(NDL) トップページNDL-BibNDL-Search
雑誌記事索引採録誌一覧
国立情報学研究所(NII) トップページCiNii Articles(サイニィアーティクル)
CiNii Articles ヘルプ
大宅壮一文庫 トップページ雑誌記事索引
主要採録雑誌(50音順)
新聞社系 ヨミダス歴史館ヨミダス文書館(読売新聞) |聞蔵U(朝日新聞)
日経テレコン21(日本経済新聞) |毎日Newsパック(案内のみ)(毎日新聞)
日本雑誌協会 トップページ印刷部数公表
A-3.その他
立教大学図書館 トップページ オンラインデータベース
Yahoo (ヤフー) 関連 日本版トップページカテゴリ一覧(ディレクトリサービス)
Yahooニュース日本版Yahooオークション
Dialog関連ページ トップページ日本語の紹介ページ無料練習のページ(ONTAP)
DialogWeb英語版ブルーシート日本語版ブルーシート
*2013年より国内サービスはProQuest Dialogへ移行。
その他の国内サービス JDreamIIIJDreamIIIコマンド入力のマニュアル科学技術振興機構(JST)
その他の海外サービス 米国議会図書館:トップページThe Library of Congress Online Catalog
英国図書館:トップページThe British Library Public Catalogue (BLPC)
OCLC FirstSearchEBSCOhostLexis-Nexis Academic
ScienceDirect
B.新しい検索システム/サービス
感性語による検索 EVE感性検索(写真:イメージから検索可) |GEOオンライン詳細検索(映画:作品印象から検索可)
画像による検索 Google画像検索(日本語版)
monstar.fm(音楽:感性語+イメージカラー+サムネイル) |楽天(商品画像) |ユニクロ(商品画像)
音声による検索 Midomi(音楽) |Apple Siri日本語版のデモ動画(YouTube、1'50")
身ぶりによる入力 LEAPのデモ動画(YouTube, 1'12") |LEAPのニュース(c|net News, 1'38")
Xbox 360 Kinectのデモ動画(YouTube, 3'33")
脳波による入力 「念じるだけでタイピングできる時代、ついに到来」(GIZMODOの記事, 2012.07.07)
(参考)みんなでつくる未来予想図ジェスチャーインタフェースブレインマシンインタフェース
タン・レイ「脳波を読むヘッドセット」| TED Talk | Jul 2010(10:30)
情報視覚化の事例 コトバノウチュウ(キーワード) |新書マップ(本の主題)
TwitterGraph(人間関係) |mixi Graph(人間関係) |あのひと検索SPYSEE(人間関係)
We feel(英語:Twitterの語彙分析)
The Internet map(英語:インターネット) |Programming Languages Influence Network(英語:プログラミング言語)
search-cube(英語:3D) |liveplasma(英語:音楽・映画)
市場規模マップ(日本の業界別規模) |visualizing.infoのトップページ
Industry_growth(英語:米国の業界別規模の拡縮、2007→2011の変化。Linkedin分析) |関連記事
日本の人口推移(1950〜2050年) |ツタグラ「インフォグラフィクス一覧」
Google books Ngram Viewer(英語:単語の出現頻度、16世紀以降の書籍) |関連記事@関連記事A
Laboo!(自動車) |関連ページ「チームラボマッピングサーチ」
C.参考サイト
件名標目表関連 基本件名標目表(BSH)(愛知淑徳大学) |JLA件名標目委員会
国立国会図書館件名標目表(NDLSH) 2008年度版
シソーラス関連 JST科学技術シソーラス(2008年版) |JDreamIIIオンラインマニュアルより シソーラスの使い方
日経シソーラス(日本経済新聞)
Weblio類語辞典
Thesaurus of ERIC Descriptors [Education Resources Information Center]
シソーラスの解説(byあがた氏)
ネット市場調査 世界のブラウザ・シェア(Wikipedia英語版) |世界のブラウザ・シェア(StatCounter)
世界のサーチエンジン・シェア(Net Applications) | サーチエンジン比較(日本某データベースサイトの調査)
ブラウザ/サーチエンジン・シェア(Net Applications) |ブラウザ/サーチエンジン・シェア(日本某建設会社の調査)
さまざまな統計(ニールセン株式会社)
図書館員のためのサイト 日本図書館協会日本図書館情報学会
コトバンク『図書館情報学用語辞典』第4版(日本図書館情報学会編)
図書館員が選んだレファレンスツール2015(第17回図書館総合展)
図書館・情報学関係のリンク集(by長谷川豊祐氏) | 図書館情報学の情報源(by上田修一氏)
図書館関係求人情報(日本図書館協会)
図書館流通センター(TRC) |TOOLi/TOOLi-S
Yahoo! JAPAN「各種資料と情報源 > 図書館 > 図書館情報学」カテゴリ
立教大学図書館 OPAC、オンラインデータベースなどのサービスを提供  探す・調べる
立教大学 立教大学のオフィシャルページ
インターネット探索サイト集 インターネット上の情報資源を探索するためのサイトを海野が選択的に集めたリンク集(一部未更新)
海野敏ホームページ 海野の本務校でのオフィシャルページ

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基本用語の解説

*授業の進行にしたがって掲載を追加していきます。

*以下の用語は授業中に説明したものです。授業中の説明を補足してあるので、復習に活用して下さい。 は情報検索関連の専門用語、 はICT関連の一般的な用語です。

(9月28日)

情報検索 (information retrieval; IR)
蓄積され、組織化された情報の集合から、 特定の属性をもった情報の集合を抽出すること。
情報要求 (information requirement; information demands)
人間が何らかの理由で必要な情報を入手したいと感じる欲求。
 (なお、存在はするが意識されるまでにはなっていない場合は「情報ニーズ」と呼んで区別することがある。)

(10月5日)

ノイズ/検索ノイズ (noise)
ある情報検索を行ったとき、不適合情報であるにもかかわらず検索されてしまった情報。
もれ/検索漏れ (drop-out)
ある情報検索を行ったとき、適合情報であるにもかかわらず検索されなかった情報。
レレバンスフィードバック (relavance feedback)
検索結果の評価に基づき、検索式や検索戦略の修正をして検索をやり直すこと。
ユーザインタフェース (user interface)
人間と機械が情報をやりとりするための仕組み、あるいはその仕組みを利用するときの操作感のこと。
(PCの場合、ハードウェア的には、PCへ情報を入力するキーボード、マウス、 PCが情報を出力するディスプレイ、スピーカ、プリンタなどがユーザインタフェースの 基本要素となっている。 ソフトウェア的には、文字ベースのCLI(CUI)と画像ベースのGUIがある。)
cf. MS WindowsのGUIでは、選択肢のためのインタフェースとして、ラジオボタン、プルダウンメニュー(いずれも択一)、チェックボックス(複数選択可)がよく使われる。
検索式 (search expression; search formula)
情報検索システム固有の言語で、検索の条件を表現した演算式。
(コマンド、検索語、演算子などで構成する。)
検索語 (retrieval term)
検索者が、検索条件を指定するために選択したことばや記号。
(同じことばが、データベースを構築するときには索引語として用いられ、データベースを検索するときには検索語として用いられる。)
演算子 (operator)
数学、論理学、コンピュータプログラミングなどにおいて、数値や文字列などのデータを対象とした各種の操作(演算)を表す記号。(対象となるデータのことを項またはオペランドと言う。)
(例:算術演算子{+、−、×、÷}、関係演算子{=、≠、<、≦}、 論理演算子{∧、∨、¬})
(log、sin、cosなどの関数記号や√ なども演算子の一種である。)

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(10月12日)

OPAC (Online Public Access Catalog)
利用者がコンピュータネットワークを介して検索できる図書館蔵書目録システムのこと。
(読みはオパックまたはオーパック。)
DDC (Dewey Decimal Classification)
デューイ十進分類法。米国の図書館学者メルヴィル・デューイが創案し、1876年に発表した一般分類表。もっとも古い十進分類法であり、英語圏ではいまでも広く使われている。
NDC (Nippon Decimal Classification)
日本十進分類法。日本の図書館でもっとも広く使われている十進分類法。DDCの記号法を採用し、日本の図書館に適合するように主題区分を工夫している。1926年に第1版が刊行された。
UDC (Universal Decimal Classification)
国際十進分類法。世界中の印刷資料を分類することを意図して開発された十進分類法。DDCやNDCのような単純な列挙型分類法ではなく、複雑な記号法によって複合的な主題を表現できるため、準列挙型分類法または分析合成型分類法と呼ばれている。1905年に第1版が刊行された。
表層ウェブ・深層ウェブ (surface web; deep web)
WWWに蓄積されている情報のうち、通常のサーチエンジンで検索できる部分を「表層ウェブ」、 検索できない部分を「深層ウェブ」と呼ぶ。
後者には、データベースベンダが有料で提供しているデータベースや、企業内部で使用されているデータベースが含まれる。また、違法取引、反社会的行為に利用されている「ダークウェブ」も「深層ウェブ」の一部である。
ワイルドカード (wildcard)
検索の文字列照合で、任意の文字列にマッチする(をマスクする)記号。「*」(アスタリスク)が用いられることが多い。(語源はカードゲームの万能札。)
ディスカバリーサービス (discovery service)
OPAC、電子ジャーナル、各種データベース、機関リポジトリなど、図書館が提供する様々な情報資源を同一のインターフェイスで一括検索できるようにしたサービスのこと。情報の「Discovery(発見)」を支援するサービスという意味がある。

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(10月19日)

データベース (database)
コンピュータによる情報検索を目的として、 (コンピュータがアクセス可能な記憶媒体の上に) 高度な組織化を加えて大量に蓄積されているデータの集合。
cf. 『著作権法』の定義
「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、 それらの情報を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したものをいう」
情報検索システム
蓄積された情報の中から、利用者の情報要求を満足させる情報の集合を抽出し、提供する機能を持つシステム。
(広義には図書館などの社会的なシステムも含めるが、通常はコンピュータのプログラムとして構築されたものを指す。)
総合目録 (union catalog)
複数の図書館あるいはコレクションに収蔵されている資料の書誌データを、一つの体系のもとに統合した目録。資料の所在を、多数の図書館を横断して検索することができる。
オンライン総合目録検索システムの例としては、国立情報学研究所のCiNii BooksやOCLCのWorldCatなどがある。
(「総合」の意味に注意すること。)
データベースのレコードとフィールド (records / fields)
それぞれのデータベースの蓄積、検索の最小単位のことをレコード呼ぶ。各レコードは同一の定型的な構造を有しており、レコードの構成要素のことをフィールドまたは項目と呼ぶ。
cf. 関係データベースモデルでは、レコードを組またはタプル、フィールドを属性またはアトリビュートと言う。
関係データベース (relational database)
1970年にIBM社のEdgar F. Coddが提唱したリレーショナルデータモデルの理論に基づいたデータベース。行がレコード、列がフィールドに相当する2次元の表を複数作成し、表どうしを関連付ける(連結する)ことで、複雑で大量のデータを効率よく管理する仕組み。(現在、実用化されているデータベースのほとんどすべてが関係データベースである。リレーショナルデータベースとも言う。)
DBMS (database management system)
データベースプロデューサからデータベースファイルを購入または借入して データベース管理システム。 データベースを構築、更新、編集、検索するためのソフトウェア。
データベースプロデューサ (database producer)
データベースを構築している機関。
データベースベンダ/ディストリビュータ (database vendor; database distributor)
データベースプロデューサからデータベースファイルを購入または借入して 自前のコンピュータに搭載し、データベース管理システム(DBMS)を運用して、 情報検索システムをユーザに提供する機関。
 通常は、ユーザが多数のデータベースを単一の情報検索システムで利用できる環境を 提供している。 データベースの再編集、データベース管理システムの作成、 付随サービス(教育指導、コンサルテーション、原文提供)などを行うことがある。 また、データベースベンダが独自のデータベースを構築し、 データベースプロデューサを兼ねていることも多い。

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(10月26日)

索引語 (index term)
広義……情報検索のアクセスポイントとして、情報・資料の属性をことばや記号で表現したもの。
 (例:書名・論題、著者名、件名、ディスクリプタ、フリーキーワード、分類記号)
狭義……情報検索のアクセスポイントとして、情報・資料の属性をことばで表現したもの。
主題索引語 (subject index term)
情報・資料の主題をことば[や記号]で表現した索引語。
 (例:件名、ディスクリプタ、フリーキーワード[、分類記号])
語彙統制 (vocabulary control)
情報検索の効率を上げるため、索引語の数、使用方法、意味範囲を限定すること。

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(11月16日)

索引 (index; indexing)
二次資料としての「索引」…情報の所在を指示するはたらきのある二次資料。
 (例:巻末索引、地図索引、記事索引、 用語索引=コンコーダンス
情報組織化法としての「索引」…情報検索のアクセスポイントをことばや記号によって提供すること(=インデクシング)。
件名標目 (subject headings)
図書館での図書の組織化のために用意された統制語。データベースを構築する図書館員には索引語として、図書館利用者には検索語として使用される。
標目の形としては、「日本語」のような単一の形、「図書整理法」のような複合語等がある。最大の特徴は、「日本―歴史」「ロマン主義(文学)」のような事前結合形が存在することである(BSHではダッシュで付加する語を"細目"、丸括弧で付加する語を"限定語"と呼ぶ)。
件名標目表 (list subject headings)
図書館での図書の組織化のために用意された件名標目(と呼ばれる統制語)の体系的な一覧表。
 例:基本件名標目表(BSH)、国立国会図書館件名標目表(NDLSH)
ディスクリプタ (descriptor)
文献データベースの構築と検索のために用意された統制語。データベースを構築する人には索引語として、検索する人には検索語として使用される。
シソーラス (thesaurus)
文献データベースの構築と検索のために用意されたディスクリプタ(と呼ばれる統制語)の体系的な一覧表。ディスクリプタと非ディスクリプタの関係(優先関係)、ディスクリプタ同士の階層関係、関連関係、ディスクリプタの意味範囲などが示されている。
 (USE:優先語、UF:非優先語、BT:上位語、NT:下位語、RT:関連語、SN:スコープノート)
事前結合索引法 (pre-coordinate indexing system)
情報源から抽出された複数の主題概念を事前に結合させて、主題全体を表現する索引語を付与しておく索引手法。
事後結合索引法 (post-coordinate indexing system)
情報源から抽出された複数の主題概念のそれぞれを索引語に変換して付与し、主題概念の結合は検索時に行う索引手法。
フリーターム(フリーキーワード)(free term; free keyword)
データベースの構築と検索にあたって、語彙統制されないまま、索引語、検索語として用いられることば。索引語としては、情報・資料中に出現するあらゆることばが採用され、検索語としては、検索者が思いつくあらゆることばが採用される。

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(12月7日)

インターネット (Internet)
TCP/IPと呼ばれるプロトコル群を採用したコンピュータネットワークが相互に接続しあった結果として自然発生的に成立している世界標準・地球規模のコンピュータネットワーク。
プロトコル(通信プロトコル、通信規約) (protocol)
コンピュータネットワークでデータやメッセージをやり取りするために、データの形式、送受信の順序や方法を定めた規則・規格。(通常、同時に複数のプロトコルが多重多層に用いられる。)
(例:IP、TCP、SMTP、POP、FTP、HTTP、Telnet…)
クライアントサーバシステム (client-server system)
ユーザの手元にあるクライアントコンピュータ(パソコン、スマホなど)と、ネットワークを介してユーザにサービスを提供するサーバコンピュータとが、相互にデータのやり取りをしながら作業を分担し、相互に協力・協調しあってコンピュータ資源を利用する分散型コンピュータシステム。
サーチエンジン(検索エンジン) (search engine)
WWWで公開されている情報検索システム/サービスの一種。インターネット情報資源をキーワードなどから包括的に検索することができる。
(例:Google、Yahoo!、goo、Infoseek、Baidu、Bing、Ask…)
インデクシングロボット (indexing robot)
サーチエンジンのために、インターネット上に公開されているウェブページを網羅的に収集(コピー)し、それぞれのページに出現するすべての単語を索引語として抽出し、フリーキーワード検索ができるように組織化するプログラム。
ランキング出力(順位付け出力、ランキングアウトプット) (ranking output)
情報要求に対する適合性(満足度の高さ)を、検索語および検索式から推測して数量化し、適合性がより高いと推測される情報から順に出力する方式。サーチエンジンのフリーキーワード検索の結果出力で、一般的に用いられている。
検索連動型広告 (search advertising)
サーチエンジンで検索に使われた語(検索語)に関連した広告を自動的に配信するインターネット広告の一種。 Google社のアドワーズ(Adwords)が有名。
 別名:キーワード・ターゲティング広告、リスティング広告
 参考:日本の広告費の推移(社会実情データ図録)
コンテンツ連動型広告 (contextual adivertising)
ウェブページの内容に関連した広告を画面へ自動的に表示するインターネット広告の一種。
行動ターゲティング広告 (behavioral targeting adivertising)
利用者のネット上での過去の行動履歴から興味・関心を推定し、それに適合した広告を画面へ自動的に表示するネット広告の一種。具体的には、どんなキーワードで検索したか、どんなウェブページを閲覧したか、どんな動画・音楽を視聴したか、どんな商品を購買したかなどの行動を記録し、その履歴情報を元にして利用者の興味・関心を推定する。
 別名:インタレストマッチ広告、関心連動型広告、追跡型広告、レコメンデーション
パーソナライゼーション (personalization)
利用者それぞれの属性や行動履歴によって、提供するサービスを最適化すること。
【参考】SEO(検索エンジン最適化) (Search Engine Optimization)
ウェブページを制作するとき、ロボット型サーチエンジンがそのページを検索結果の上位に順位付けて出力するように工夫すること。
 具体的には、キーワードの適切な選択や配置、被リンクページの増加など。
 参考:SEO検索エンジン最適化(by 住太陽)

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(12月21日)

精度(適合率) (precision)
あるデータベースを対象としてある情報検索を行った結果の検索ノイズの少なさを表す数値。検索された情報の総数に対する検索された適合情報の数の割合。
再現率 (recall ratio)
あるデータベースを対象としてある情報検索を行った結果の検索もれの少なさを表す数値。データベース中の適合情報の総数に対する検索された適合情報の数の割合。

(1月11日)

ネットワーク情報資源 (networked information resources)
1. ネットワーク(インターネット)を介して探索、入手、利用ができる情報・知識(=メッセージとしてのネットワーク情報資源)。 2. そのような情報・知識を蓄積、伝達する仕組み(=メディアとしてのネットワーク情報資源)。
ブラウジング (browsing)
役に立ちそうな情報を、明確な探索方略を持たず、試行錯誤をしながら行き当たりばったりで情報を探し求める行為。
自己組織化マップ (self-organization map; SOM)
情報視覚化に用いられる手法で、大量の多次元データを類似度によって2次元空間に配置することができる「教師なし学習ニューラルネットワーク」。
1981年頃、フィンランドのコホーネン(T. Kohonen)が提案した。「コホーネンマップ」とも呼ぶ。
データマイニング (data mining)
大量のデータにデータ解析の高度な手法を適用することで、通常の手法では発見されにくい隠された知識を取り出す技術。近年、「ビッグデータ」を対象とした分析技術として注目されている。

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ウェブ上の情報の信頼性判定基準

*授業中に説明しました。

  1. 発信者
    • 政府・官公庁
    • 公的機関:大学、国立研究所、裁判所…
    • 企業・団体の公式サイト
    • 専門家、研究者
    • 非専門家だが著名人
    • 本名・プロフィール付の一般人
    • 匿名
  2. 典拠
    • 典拠に関する記述があるか
    • 典拠が信頼できるか
  3. 情報重出(裏付け)
    • 印刷資料で確認
    • ウェブ上の他サイトで確認
  4. 他者評価
    • 公的機関、専門家の評価
    • 第三者である個人の評価
    • 利害関係者・仲間内の評価
  5. 情報の鮮度
    • 更新年月日
    • 発信年月日
  6. ウェブページの形式性(体裁、外見)
    • 文体
    • デザイン
    • 更新年月日、著作権表示など有無

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一般的な検索過程

*授業中に説明しました。

  1. 情報ニーズの発生(認知されない)

  2. 情報要求の意識化(認知される)

  3. 情報要求を検索質問へ変換(言語化)

  4. 情報検索システムおよびデータベースの選択

  5. 検索質問を検索式へ変換(検索語の選択、検索条件の組合せ)

  6. 検索の実行

  7. 検索結果の適合性の評価(検索ノイズのチェック、検索もれの推測)

  8. 評価結果に基づく検索式または検索戦略の修正
    →2,3,4へ戻る(レレバンスフィードバック)

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情報要求の3タイプ

*授業中に説明しました。

表1. 情報要求の3タイプ

情報要求のタイプ 探索のスタイル 記録情報源 非記録情報源
モ ノ ヒ ト コ ト
日常
生活
A.現状認識のため ブラウジング 新聞・雑誌
Webページ
ブログ・Web掲示板
テレビ 身近な知人・友人 身の回りの出来事
B.問題解決のため ブラウジング

情報検索
レファレンスブック
一般資料
データベース
(無料検索システム)
(テレビ) 身近な専門家
身近な専門機関
観察
(実験、調査)
仕事
・研究
C.主題熟知のため
 (徹底的・網羅的)
情報検索 レファレンスブック
専門資料・学術論文
データベース
(有料/無料検索システム)
(テレビ) 専門家
専門機関
観察、実験、調査

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データベースの種類と流通

*授業中に説明しました。

図1. 利用方法によるデータベースの種類

管理用非公開データベース ┬ 1. 個人データベース
└ 2. 組織内データベース
検索用公開データベース ┬ 3. 商用データベース
└ 4. 公共データベース

図2. 情報のタイプによるデータベースの種類

文字中心 ┬ レファレンスデータベース ─ ┬ 書誌データベース …目録、抄録、記事索引など
└ ディレクトリデータベース …人物、商品、作品など
└ ソースデータベース ─── ┬ フルテキストデータベース
└ 数値データベース
文字以外 ┬ イメージデータベース
├ オーディオデータベース
├ ビデオデータベース
├ ソフトウェアデータベース
└ マルチメディアデータベース

図3. オンラインデータベースの流通

データベースプロデューサ

データベースベンダ

(代理店)

(インフォメーションブローカ)

利用者

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ネットワーク情報資源の特徴

*授業中に説明しました。

  1. 情報空間の膨張と変容が急激
     情報空間Sの膨張と変容が急激なため、Sに、逐次厳密な構造を与えている時間的余裕がない
     → 従来のインデクシングでは間に合わなくなった
  2. 情報加工の低コスト化
     情報加工の低コスト化により、二次情報di'を一次情報diから分離して操作する必要がない
     → 二次情報が一次情報に埋め込まれるようになった
  3. 情報の断片化と癒着
     ハイパーテキスト(hypertext)の浸透により、情報の断片化と癒着が進み、単位をなす情報diが明確に識別できない
     → 情報の単位が識別できなくなった
  4. 無益無用な情報の氾濫
     無益無用な情報が氾濫しているため、はじめから効率のよい検索を行うことがきわめてむずかしい
     → 高い検索効率が期待できなくなった
  5. 検索時の試行錯誤の低コスト化
     検索時の試行錯誤が低コストになったため、はじめから効率のよい検索をする必要がない
     → 高い検索効率を期待する必要がなくなった
  6. ノービスユーザの増加
     ノービスユーザの割合が高く、専門的な知識を必要とする検索手法が適当でない
     → 検索のための知識が期待できなくなった

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