IT Text 情報リテラシー

Last modified on Nov. 12, 2002


★コンピュータリテラシーとはちがう〈情報リテラシー〉をめざして
  情報活用のすべてをカバー!
●パソコンとインターネットを使いこなせますか?→第1章
●必要な情報を探せますか?→第2章
●集めた情報を分析できますか?→第3章
●レポート、論文が書けますか?→第4章
●ディスカッションやプレゼンテーションができますか?→第5章
●情報化社会の課題とは?→第6章
★各章ごとに略解つきの演習問題を掲載

書 名 情報リテラシー
著 者 海野 敏, 田村 恭久 編 集 情報処理学会
出版社 オーム社 刊行年月日 2002年10月25日
シリーズ名 IT Text 定 価 本体2800円+税
判 型 A5判 (21cm×15cm) ページ数 236 p.


目 次(章節レベル)

はしがき
第1章 情報化社会の読み書き算盤 1.1 現代社会と情報リテラシー
1.2 コンピュータとは何か
1.3 コンピュータ操作の基礎
1.4 ネットワーク環境の基礎
演習問題
第2章 情報を収集する 2.1 さまざまな情報源
2.2 印刷メディアによる情報探索
2.3 インターネットリソースの探索
2.4 商用データベースの利用
演習問題
第3章 情報を分析する 3.1 情報分析と抽象化
3.2 チャート表現
3.3 抽象思考のツボ
3.4 グラフ表現
3.5 表計算ソフトExcelとグラフの描画
演習問題
第4章 情報を構成する 4.1 論理構成の基本
4.2 パラグラフライティング
4.3 文章表現の技術
演習問題
第5章 情報を表現する 5.1 さまざまな口頭発表
5.2 プレゼンテーションの技術
5.3 PowerPointの利用
5.4 ウェブページによる情報発信
演習問題
第6章 情報化社会のルールとマナー 6.1 情報化社会の可能性と危険性
6.2 知的財産権の保護
6.3 コンピュータ犯罪
6.4 自己防衛と自己責任
演習問題
演習問題略解
参考文献
索  引

「はしがき」より抜粋

 本書は,現代社会に必要な情報リテラシーのすべてを1冊におさめることをねらっている.

 情報リテラシーとは,コンピュータを使いこなす能力ではなく,情報を使いこなす能力のことである.しかし,情報リテラシーと書名にうたっていても,パソコンの入門書にすぎない本,インターネットの解説に偏った本が少なくない.たいせつなのは,何のためにパソコンとインターネットを使うかである.

 そこで本書では,情報を使いこなすためには何を学び,何を知るべきなのか,できるかぎり幅広くとりあげることを試みた.すなわち,情報を探して入手し,それを分析して理解し,その分析に基づいて新しい情報を再生産するという情報利用の全過程を視野に入れて執筆した.情報リテラシーの全貌を1冊で余さず展望できるところが本書の特徴である.(著者の情報リテラシーの考え方については,第1章を参照してほしい.)

 本書の内容構成は次のとおりである.

  第1章 基礎知識と基本技能
  第2章 情報の探索と入手
  第3章 情報の分析とモデル化
  第4章 情報の論理的な再構築
  第5章 情報の表現と発信
  第6章 情報化社会と情報倫理

(後 略)

本文(第1章第1節)より抜粋

 情報リテラシーとは,個人が情報を知的資源として使いこなすために必要な基本的技能のことである.

(中 略)

 では,情報を知的資源として使いこなすために必要な基本的技能とは,具体的にどのような知識と技術だろうか.

(中 略)

 情報リテラシーとして一般に考えられているのは,パソコンが操作できることとインターネットが利用できることだろう.たしかに情報化社会は情報のディジタル化と情報流通のネットワーク化を前提としているので,これらは情報リテラシーの一部ではある.

 しかし,いっそう重要なのは「何のためにパソコンとインターネットを使うか」である.パソコンやインターネットを,私的なメールのやりとりや趣味でゲームを楽しむのにしか使えないとしたら,十分な情報リテラシーを獲得しているとは言えまい.

 情報を知的資源として使いこなすということは,情報を再生産できるということである.パソコンとインターネットを使って情報を操作し,社会人ならば仕事に役立つ情報を,学生ならば学習に資する情報を,生活人としては暮らしを豊かにする情報を,自ら創り出すことができるということである.操作の対象となる情報は,読み書き算盤の対象であった文字と数字だけではない.これからは画像や音声,ソフトウェアやデータベースのような情報も重要になる.

 情報の再生産には,次のような一連の知的作業が含まれている.

 ・情報の収集:必要な情報を探索し入手する
 ・情報の分析:収集した情報を分析し理解する
 ・情報の構成:分析した情報に基づき新しい情報を構成する
 ・情報の発信:構成した情報を発表し公開する

 情報の再生産という視点から捉えると,情報リテラシーとは,上記のような一連の作業をコンピュータとネットワークを使って効率的に遂行するための技能と説明できる.

 本書ではそれぞれの作業を行うための基本的な知識と技術を第2章から第5章までで学習する.その際,紙による情報処理も,コンピュータによる処理を補うものとして目配りし,さらにいずれの章でも電子と紙とで共通する根本原理に目を向けるよう心がけた.

(後 略)

目 次(章節項レベル)

はしがき
第1章 情報化社会の読み書き算盤 1.1 現代社会と情報リテラシー 1.資源としての情報
2.情報リテラシーとは何か
1.2 コンピュータとは何か 1.ディジタル化
2.コンピュータの本質
3.ハードウェア
4.ソフトウェア
1.3 コンピュータ操作の基礎 1.ユーザインタフェース
2.起動と終了
3.マウスによる選択と操作
4.キーボードによる文字列入力
5.ファイル管理
1.4 ネットワーク環境の基礎 1.インターネットとは何か
2.パソコンとインターネットの接続
3.アドレスとURL
4.ウェブブラウザの操作
5.電子メールの送受信
6.インターネットの多様なサービス
演習問題
第2章 情報を収集する 2.1 さまざまな情報源 1.情報ニーズと情報探索
2.情報源=モノ+ヒト+コト
3.探索手順の4原則
2.2 印刷メディアによる情報探索 1.紙と電子
2.さまざまな参考図書
3.参考図書の使い方
4.図書館の使い方
2.3 インターネットリソースの探索 1.サーチエンジンによる探索
2.ファイルの入手と再生
3.コミュニケーションの場へ
4.情報源としてのインターネットの特徴
2.4 商用データベースの利用 1.さまざまなデータベース
2.データベースと情報検索システム
3.検索手法の基本
4.検索結果の評価
演習問題
第3章 情報を分析する 3.1 情報分析と抽象化 1.情報分析の意義
2.抽象的な概念構造
3.2 チャート表現 1.モデルとチャート
2.構造・関係を記述するチャート
3.動作・プロセスを記述するチャート
3.3 抽象思考のツボ 1.抽象思考のトレーニング
2.抽象度を揃える
3.記述範囲を限定する
3.4 グラフ表現 1.数値データと統計処理
2.さまざまなグラフ
3.5 表計算ソフトExcelとグラフの描画 1.Excelの基本的な使い方
2.Excelでのグラフ描画
演習問題
第4章 情報を構成する 4.1 論理構成の基本 1.論理性と表現能力
2.基本的な論理構成法
4.2 パラグラフライティング 1.パラグラフライティングとは
2.パラグラフライティングの手順
3.論理構成パターン
4.論理構成の検証
4.3 文章表現の技術 1.アカデミックライティング
2.文書の体裁
3.書誌データの書き方
4.作文の作法
演習問題
第5章 情報を表現する 5.1 さまざまな口頭発表 1.プレゼンテーション
2.ディスカッション
3.ディベート
5.2 プレゼンテーションの技術 1.発表の準備
2.発表を補うメディア
3.発表の本番
4.発問と応答
5.3 PowerPointの利用 1.PowerPointの基本的な使い方
2.さまざまな効果表現
3.スライドの印刷
5.4 ウェブページによる情報発信 1.WWWの仕組み
2.ウェブページの作成
3.ホームページの公開
4.ホームページの強化
演習問題
第6章 情報化社会のルールとマナー 6.1 情報化社会の可能性と危険性 1.豊かな未来
2.未来への暗い影
3.情報法制と情報倫理
6.2 知的財産権の保護 1.さまざまな知的財産権
2.著作権の保護
6.3 コンピュータ犯罪 1.不正アクセス・システム破壊
2.コンピュータウイルス
3.詐欺・違法取引
4.名誉毀損・ストーカー行為
5.迷惑行為
6.4 自己防衛と自己責任 1.コンピュータセキュリティ
2.個人情報の保護
3.ネチケット
4.健康維持
5.情報を批判する力
演習問題
演習問題略解
参考文献
索  引

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umino@toyonet.toyo.ac.jp